磁界、電磁波=電波、デシタルノイズ
ケーブルを作る上で一番厄介な難問である。電気のあるところ総てに発生する。とは言ってもやがて減衰して消えていくが、次々と発生する、そして飛び散り音を汚す。
オーディオは交流である、素線を電気が流れるとき進行方向の右に捻れる様に発生する磁界。そして数珠繋ぎに結び付き最後は電波になり減衰して消える。
しかしオーディオケーブルの中で本当は何が起こっているか実際はまだあまり解明されていない。ならばその電磁波を味方につけ、上手く付き合って行くしかない。それがオーディオケーブルである。
学者の話ではラインケーブルレベルの小さな電流や電圧で、人の耳で聞き分けられるレベルではないと聞いた。しかし歴然とケーブルを換えると音は変わる。
シールドなしのラインケーブルも一時作っていたが、音が粗く低音が減衰する。音の解放感は優れているので、どこか一部だけに使うと良いのだと思うが、度重なる実験の結果、場所が特定出来なかった。
そしてケーブルは、定数を変えられないフィルターである。私はそう思っている。これはとある方から教わった言葉である。
しかし本当に優れたケーブルはどんなものか?作れないが答えは簡単である、ケーブルの音がしない伝送効率の高いケーブルである。
しかしこれは総てのオーディオ機器にも言える事である。例えれば、本当に優れたアンプとは、効率が良くアンプ固有の音がしないアンプの事である。
出力の大きなアンプに換えたら怒濤の様な雄大な音になった等、その一例であろう。良いアンプとはそんなものではない。
ならばケーブルも同じである。しかしそこには磁界の問題が山積している。理論では色々ある、プラスマイナスを軽く捩る事により、発生する磁界を打ち消すと言う理論である。
更にはそのプラスマイナスを二本ずつ合計四本にして捩り、磁界を減らしながら素線の体積と表面積を増やそうと言うタイプ。
しかしどちらも一般的には、分かれているとはいえ、素線どうしは裸導線を捩るのである。
本当に表面積を増やす表皮効果にはなってない。中で素線どうしがたまに接触しているだけなので、そこで放電現象が連続して起こると推測される。そこも抵抗や磁界になると考える。
私が作ったリッツ線は、素線の太さを吟味したおかげで、確かに聞いた感じ優れているが。素線総てに被膜がある、なのでリッツ線なのであるが。線と線の間には空間があり、どうしても線間容量が出来る為、静電容量は増えてしまう。そこにCが発生する。それも抵抗、電磁波になると考える。
しかし出来上がり聞いたリッツ線は、音が爽やかでケーブルが入っていないかの様な音である。
理論どおりにならないのがオーディオケーブルではないだろうか。しかし簡単に話したが、そこには繋ぐシステムの違いもあると思う。簡単に片付く問題ではなさそうである。
色んなケーブルもシステムがまともに鳴っていないと答えにならないと言う事である。
一番まずいのは。オーディオケーブルでシステムの欠点を補おうとする事だと思う。まともなオーディオに繋げてはじめてケーブルの真価が分かる事を、今回の四年のケーブル作りで、繰り返し試聴した事で気付いた。
だから色々実験し時間がかかっているのである。そして部屋はスピーカーの一部である。部屋自体が楽器であり、トータルで合わさって音が構築されるのである。
話しはずれるが無関係ではない、暫しお付き合いを。一関に、その名を知らない人はいない有名なジャズ喫茶ベイシーがある、菅原さんは客が入ってくる時、喫茶店の手前にある小さな部屋の容積まで鳴らしの対象にしていると聞いた。
土蔵のジャズ喫茶ベイシーは、その空間であのサウンドを完結しているのだ。ベイシーの音には賛否両論あるが、どのみちあの音は、並大抵では鳴らせない。
同じスピーカーを六人が同じに真似して自宅で鳴らしているが、誰一人としてベイシーの音にはならないそうである。
ケーブルでも、床の補強でも、リンのターンテーブルを使っているからでもない、ましてやシュアーのカートリッヂを使っているからでもない。トータルバランスであり、部屋である。誰もそこに気が付いていない。
土蔵の作りは強固でなかなか上手く鳴らなかっただろう。ベイシーのサウンドは、菅原さんの努力が分かる音である。
しかしオーディオケーブルの説明をするのに、ここまで話さなければならないのは、些か情けない。
しかし無関係ではないので熱く語った。システムの最終判断をし、ケーブルの判断をするとはこう言った事なのである。
そして磁界の話をしたのである。さてここまで読んで、なぜ今までデジタルがアナログに敵わないのか分かった方はいるのだろうか?それは総て今回の話しと繋がっている。オーディオは総てが三位一体である。しかし、それはまたいずれ別の呟きにて、失礼。
しかし私のCDは遂に、実力がアナログとほぼ並んだのである。