異次元のオーディオとは
みなさんは、異次元のオーディオと言われてもあまりピンッと来ないかも知れない。
しかし、サラッと聞いた感じ普通のオーディオとなんら変わらないかも知れない。超まともな音とはそんな感じだと思う。
それは普段ご自分のシステムを聞き慣れているからである。大変失礼な言い方かも知れないが。我が家で三時間程聞いていただき、ご帰宅され、ご自宅のシステムを聞いた瞬間に気付かれると思う。
上手く鳴っていた筈の貴方のシステムは、ただ普通のなんの変哲もない音しか鳴らない事に。
それは異次元のオーディオを聞いて耳ではなく、貴方の脳がその違いを感じ取ったからである。
貴方の意識の中にはまだ過去のシステムの音が残っている、しかしもう脳が拒絶して以前の音は完全に崩壊してしまうのである。
好みと言う言葉、異次元の世界ではその言葉の意味すらなくなってしまう。そう、極限まで鳴った音、確かに更にこの上は存在する。
しかし異次元のオーディオとは、サラウンドみたいに音が前後左右上下に飛び交ったり、凄まじい重低音が鳴る音の事ではない。
超まともな癖のない欠点のない鳴り方の事である。普通、可聴帯域で聞こえなかった超高域が聞こえる様になったとか、そんなものではない。
それは今流行りのAVシステムに任せておけばいい。オーディオシステムとAVサラウンドシステムは全く用途が違うのである。
オーディオシステムは音楽を聞くもの。AVサラウンドシステムは映画を楽しむ音響システムである。
サラウンドはサラウンドで面白い。否定はしないがオーディオとは別に考えないといけない。あまりに違いすぎるからである。
異次元のオーディオとはあからさまに音が良いと分かるシステムの事ではない。
あり得ない位まともに、自然に違和感なく鳴ったシステムの事である。そして異次元のオーディオとはその凄さをひけらかさない、凄いとさえ感じない音をなんなく鳴らすオーディオシステムの事である。
今の私にはむしろ鳴っていないオーディオの方が、別の意味で異次元のオーディオに聞こえる。引き締まらず沈まないない低音、ギラギラしたドライバーの明るく薄い音。位相のずれた各々のユニットが一斉に鳴った音は耐えられない。聞いていて退屈である。
そして膨大な接点の数と、それらが引き起こすエネルギーロス。それらをしっかりとさせてゆくと異次元のオーディオはやがて顔を出して来るだろう。貴方はもう分かっている筈である、自分からことを起こさないと、失敗も成功もない事を。
異次元のオーディオとは、あり得ないくらいかっこいい音を鳴らすオーディオシステムの事ではない。
超まともで、静かでおおらか。まるでオーディオシステムが鳴ってないかの様な音を鳴らすオーディオシステムの事である。