再生音は生とは違う
生の音(ライヴやコンサート)をよく聞いて、それをオーディオに繁栄させるのは大切な事だが、生らしく鳴らす事は出来ても、そもそも生の音は録音されていない。強いて言えば、違う方向から生らしく録音されているが、正解。つまり家庭で気持ちよく聞ける様に録音されている、それが現実である。
現実問題、実際の楽器の音は360°に音が広がっている、しかしスピーカーの振動板は、前後にしか動作しない。しかしオーディオには二本のスピーカーがある。
録音センスや機材の進歩によって随分その雰囲気が鳴るようになってきた。しかしアナログ時代はまだ、そこまで解明されなかった様に思う。
しかし個人的に、努力によってCDの音は更にベールが剥がれる様にまで再生出来る様になってきた。
しかし、やはりアナログを聞くと音場馴れや、音の抜けが違うのも事実である。
さて、そこにはいったいどの様な違いがあるのだろうか、考えてみた。やはり録音現場である、マイクで音を拾っているからではないだろうか。
どんなに優れたマイクを使おうとそこには、時間と空気と接点による歪みが生じる。
そして再生側のスピーカーとの距離や膨大な接点や外来ノイズや電磁波やケーブルにのるデジタルノイズが音を歪めている。
しかしオーディオとは大したものだ、それらをあまり感じない位に完成されている。
でも、ある程度、極限レベルに迄システムが達した時、やはり現実の鳴り方とはかなりの差を私は感じる様になってきた。
オーディオの音は実験が上手くいった時、音は柔らかくなってくる。そしてボケるのではなく静かでクリアーなのである。なので真実の音は鮮やかなのだが柔らかいと思う。
そしてボリュームをかなり上げてもうるさくならないのである。つまり実際のレコーディングやライヴとは違った方向で鳴らすのがオーディオである。
全く違う方向で生らしさを鳴らす以外に方法はないのである。例えばアコースティックなライヴで音の優れた響きのホールに、スピーカーを持ち込んでも、ライヴの様には鳴らないと思える。
システムがちゃんと鳴っていたら、響きの良いホールにスピーカーを持ち込んで鳴らしても良い音が鳴りそうなものであるが、そうはいかないと思う。
演奏する所とオーディオを再生する部屋は別なのである。私は新居に越してきてやっと半年で部屋の響きに閉塞感がなくなって来た。
そしてJBLの130Aと4560BKで今まで聞いた事のないスッキリした重低音を手に入れる事が出来た。
しかし、その鳴らし方の方法は、電気的であり機械的な方向からエネルギーロスを減らし鳴らしたのである。