JBL4560BKから低い低音を鳴らす方法
ウエスタンスピリッツは、JBL4560BKを鳴らすために、約三十年苦しんだ。どうしても4560はカタログに書いてあるとおり、本当に60Hz以下の周波数は鳴らないのかと。
ウエスタンスピリッツは、努力の結果、かなり鳴る様になったが。やはり本当に鳴っているとは言えない。
でも答えは以外とアッサリしたものだった。結論から話そう、4560は、ちゃんと下の周波数まで鳴る。
みなさんはオリジナルが好きなのと、なかなかセオリーを崩せないだけなのである。その方法が多少過激であっても、オーディオは良い音を鳴らした者の勝ちである。
では、昨日公開した船橋の現場での事を、お話し致します。
数週間前、某ヴィンテージショップの代表から得た情報によると、JBL4560は、リスニングルームのスピーカーの真後ろの壁が強固ならば、ウーハー真後ろの板を外すと、本当に低い重低音まで再生するとの事だった。
その方法とはこうだった。後ろの板を外した4560を後ろの壁にぴったりつけた状態から、少しずつ耳で聞きながら後ろの壁から離していくと、調度良い所があるのだそうである。
つまり後ろの壁をエンクロージャーとして使うのだろう。かなり経験を積まれた方の情報である、妙に納得出来た。ならばやってみる価値はありそうだ。その方法を、ウエスタンスピリッツより先に新たなリッツ線スピーカーケーブルを繋いだ、お客様のシステムで実際に行ってみた。
この方法も、ご使用になっておられるウーハーのfo迄だが、ちゃんと低い音階は鳴ったのである。
その前に、これはなかなか存在しないが、ウエスタンエレクトリックのスピーカーシステムをよく観察してみてもらいたい。
クリプッシュホーンの様になっているタイプがある。優れたフロントロードホーンは後からの音は前に回り込まない。そして、この方法はアルテックA-7も全く同じと聞いた。
そして後ろはどうだろうか?後面解放になっている。はじめから後ろはないのである、低音は確かに製造年代が新しいfoの低いJBL程ではないが、確かに低い音階まで鳴っていた。
大きな違いは、ダブルウーハーになってるか、なっていないかの違いである。しかし、優れたホーンロードがかかっていれば、シングルウーハーの方が、本当は優れている筈である。
なぜならダブルウーハーは、確かにシングルウーハーよりも低音の量感は感じる。しかし、二本全く同じに動作させる事は至難の技であるからである。
現にダブルウーハーや38㎝より大きなウーハーの音は、重くて気持ちが悪い。JBL4560に130Aの組み合わせは、低音が弾んでいて、本来の楽器の音に近く、自然な音色に感じる。
では、本題に入ろう、なぜ4560で130Aや2220Aや2205A等の組み合わせで、低い重低音が鳴らないのか?
それは、ウーハーの真後ろにある板との短い距離が関係している。ウーハー真後ろの容積は、ほぼないと言っても過言ではない。
他のボックスと比べ、音を引き締め遠くまで飛ばす様に設計されてる為、ウーハーとの距離が極端に近い設計になっているからである。
その影響で、空気がバネの様な働きをして、ウーハーに適度な制動をかけて、余計に動かなくしているのである。
その為、大きなパワーを入れる事により、音は引き締まった様に聞こえ、遠くまでクリアーな弾んだ様な低音が遠くまで飛ぶように作られているのである。しかし、ソースは年代と共にダイナミックレンジが広くなってきた。
なので、結論から話せば、ウーハーの真後ろの板だけを外してしまい、後の壁にぴったり付けた状態から、聞きながら少しずつ前に出していく。
その加減で何処かに後ろの壁との優れた距離があり、重低音は再生可能となるのである。しかし、そこにはセンスが必要になる。近づけ過ぎると低音はブーミーになり、離し過ぎると薄く感じる。
つまり後の壁と4560との隙間の距離を、バスレフポートとして、ボックスの延長上として考え、利用するのである。ボックスに巨大な容量が追加されたような状態になる。
貴方がお使いの、ウーハーのfoと貴方のセンスしだいでは、本物の重低音は4560でも、しっかりと鳴るのである。
この方法は、苦し紛れでも何でもない。アメリカに於ける、PAではない一般家庭で昔から実際に行われていると聞いた。当たり前の4560の鳴らし方である。
ただ日本は昔、家屋の壁が弱く、本国のアメリカから殆どその情報が伝わらなかった為だと思うと、ヴィンテージショップの代表は話していた。貴方も、JBL4560BKから素敵な重低音を鳴らそう。
JBL4560BKよ永遠に。