鋭い音
楽器の音を聞いてると、ミュージシャンは感情を込めるときに時として、とても凄い音を鳴らす事がある。
このお話の前に、総ての音は空気が歪んで鳴っている事をご理解下さい。オーディオも振動板が動き空気が歪んで鳴っている。
そして、バスドラムがドンッと鳴った瞬間、録音時のマイクロフォンの振動板は、逆に後ろに下がる、これは逆位相である。しかし、この録音の位相に違和感はない。
先ずはこれをご理解願いたい。
楽器の音は360°音が放射されている。オーディオは、スピーカーの振動板が前後にしか動かない。それを二本のスピーカーを使う事で、前後左右上下を再生する様に調整卓で作った録音媒体のソフトをオーディオ装置で聞いている訳である。
音は出来る限り歪まない様に録音されている。しかし、やはり歪んでいるのである。
オーディオ装置の中をご覧になっていただきたい。半田で留めた接点だらけである。そしてたくさんの部品数。それら総てが位相と時間を歪めているのである。しかし、両チャンネルほぼ同じで左右の音色は揃っている。
歪みには色々ある、位相による時間や位置軸の歪み、接点だらけである事の歪み、過大入力によるソフトの歪み、左右のスピーカーの設置による時間差歪み、ネットワークが上手く出来てないことによる電気的な要素の位相歪み、スピーカーから来る床や機材の下の振動によるエネルギーロスによる歪み。
これらがクリアーで柔らかな鋭い音を、最後まで鳴らせなくしている原因と考えられる。
いわゆるスピーカーや機材の踏ん張りがきかない状態になっているから、音が最後まで鳴りきらないのである。なのでボケている為、ボリュームを上げないと上手く鳴って聞こえない。
そして本人は大層良い音のつもりが、聞かされる家族や友人は、その音量がうるさいのである。
本当に鳴ったシステムは、ボリュームの量とは関係なく、小音量でも楽器の輪郭が芯を伴いしっかりしている為、強く鋭い音も最後までくい止まらず鳴るため、うるさくならないのである。当然、それは大音量でも同じである。
こんな事を細部へ細部へ入って考え、突き詰めていくと、やがて、ウェスタンスピリッツの様な思考になっていくと思う。
私が壊れていく様がよくご理解出来ると思う(笑)
だから色々なエネルギーロスを減らして来た。私の話すエネルギーロス対策とは、接点による信号の減衰や歪みを減らす事なのである。
オーディオで行う様々な音質改善は総てがエネルギーロスを減らす為である。
そして、やがてエネルギーロスが極限まで減って来ると、芯を伴った鋭くも穏やかで柔らかな音が構築される事になる。
鋭い音とは、本当は芯のある固さの中から爽やかに抜け出る素敵な音なのである。誤魔化しのボヨボヨな音の事ではないのである。
人各々に色々なご理解はあるとは思うが、芯を伴ったうるさくない素敵な鋭い音を追及されたし。本当はオーディオに好みはないと私は思う。