YAMAHA GT‐750
ウエスタンスピリッツは去年、YAMAHAのGT‐750のオリジナルキャビネットを諦め、自作した。そして今年、更にしっかりさせた。付属のトーンアームもオリジナルを外し、オーディオテクニカのAT‐1005Ⅱを使用している。
トーンアームをオーディオテクニカに交換した時はまだ、オリジナルキャビネットを使用していた。
そのオリジナルキャビネットのまま何とか音質改善を狙い、トーンアームの内部配線を幾度も交換した。
オリジナルキャビネットからオリジナルインシュレーターを外し青黒檀にしたり色々改善された。しかし限界は突然来た。
私はアナログプレーヤーを熟知してる、なぜYAMAHAのGT‐750を選び使っているのか、それはターンテーブルにそこそこの質量があり、慣性モーメントもあり素質を感じたからである。
そして、何よりワウが少なく、回転が正確である。モーターの起動トルクも、テクニクスSP‐10MKⅡ程ではないがなかなか強い。
そして回転が静かで滑らかで優れている。これらを理解するに、最後のところで音を濁しているのは、キャビネットであるMDFボードである事は経験から明白であった。
まだ調布に住んでいる時に決めていた、新居が完成した暁には、必ずしっかりとしたキャビネットを作って交換しようと。
そして先ずは2.5㎝厚の赤タモの修成材単板でキャビネットを作り聞いていた。しかし些か見た目も貧弱で、ハウリングに弱そうに感じていた。
今年その赤タモの単板の下に、チークの角材を購入してきて、寄せ木の様に12㎝の厚になるように張り合わせ、やっと立派なウエスタンスピリッツオリジナルアナログプレーヤーが完成したのである。
もうYAMAHAのGT‐750とは比べ物にならない。他を寄せ付けないアナログサウンドが、ウエスタンスピリッツは、聞ける様になったのである。
お断りしておくが、YAMAHAのGT‐750が優れているのではない、その基本性能をこちらが上手く引き出したのである。
しかし、それでも僅かな振動がスピーカーから聞こえた、もう極限まで行ってしまいたかった。そして一気に細部へ思考はフル回転した、キャビネットの裏に電源トランスが付いていて、それが僅かに唸っている。
そのトランスを本体から外して距離をもたせ、大きな杉の角材へネジで取り付け、その下にバスマットを敷き本体と距離をもたせ隔離させた。
振動は見事に止まり素晴らしいS/Nを得る事が出来た。トーンアームの内部配線もアームエンドの端子を外し、直に引き出しピックアップケーブルと直に質の高い半田で留めてある。
結果アナログのエネルギーロスは、極限まで減った。ウエスタンスピリッツのアナログは、そこで既に普通ではないのである。
もしもノイズがあるとすれば、アメリカ盤のウエストミンスターや、コロンビア六目や、ロンドンラージデッカの古い事による盤質によるノイズ位のものである。
グラモフォンではウエスタンスピリッツでは、その様な事は一切ない。
アナログの限界は正直底が見えない。ガラードがどうのEMT927DSTがどうの、正直私にはどうでも良い。
オーディオは下克上の世界である。鳴らなければ何を使っていても、どんなご立派な理屈も全く意味がない、人より上手く鳴らしてなんぼである。
YAMAHAのGT750のキャビネットは、見事大成功したのである。かなりの音質だと思う。