引っ越して来てからを振り返る。
2013年二月二十一日に千葉県の新居に越して来ました。そして、私は新居を建てている間、考えられる限り素晴らしい音になる事を想像していました。
しかしその期待は見事に裏切られ、初めて鳴った音の酷さに愕然となったのです。
「もうオーディオはやめよう」と。しかし、実際過去に新居を建てられた方は、口を揃え私と同じ経験をされていた事を思い出しました。
「新居は、三年は我慢しろ」です。つまりどんな部屋でも、一年から三年我慢すれば鳴ってくる、と言うことです。
過去に経験した総ての方は新居の鳴り方を、同じに感じているのです。艶ものびもなくボケボケの音で、とにかくうるさいのです。
鉄筋の戸建てやマンションならば、気密性が高いので三年、我が家の様な木造の戸建てで一年半から二年、鳴らす時間や音量にもよるとは思いますが、そんな感じではないでしょうか。
新居の酷い音は、鳴らしはじめてから三日位で解れてきて、後は一進一退を繰り返しながら聞きやすくなって来たように思います。
その時大体の方は、システムの機材を買い換え抗おうとします。でもそれはナンセンスと知るべしです。まだ壁や中の柱や床や天井や屋内配線が馴染んでいないから、上手く鳴らないのです。
今だから分かって話せますが、私も機材を買い換えようかと思ったのも事実です。でもこの経験が後に音質改善のヒントになり、総ての紐が少しずつほどけたのです。
「部屋は楽器の様なもので、ある意味スピーカーボックスの延長である」この答えが出たのです。オーディオは総てが大切ですが、これをご理解出来ないと、未来永劫上手く鳴ってはくれません。
引っ越して一年九ヶ月、一つ一つ優先順位を決めて、出来る事からコツコツ丁寧に、音質改善を重ねて参りました。その間に部屋も馴染んで来ました。
それがやっと実を結び、現在の音になりました、ウエスタンスピリッツは今、とても端正な音です。