訳わからない会話
オーディオクリニックをしていますと、様々な言い訳に出会います、しばし楽しんで下さい。
(私)「色々聞かせていただきありがとうございます」
(お客様)「どうでしたか」
(私)「左右の音がかなり違っている為、良さが出ず、左右のスピーカーがお互いに殺し合っていて低音が少ないです」
(お客様)「知り合いに測定器で測ってもらったら、20ヘルツまで鳴っていると言われた」
(私)「20ヘルツどころか80ヘルツも怪しい」
するとお客様は、変なソフトばかり持ってきてパニック状態になる。
私の考えでは、測定器ほど、あてにならないものはないのです、その後、あまりにもかわいそうなので話題をかえて、試聴は終わらせました。
(次のお話)
ドライバーからノイズが出るので、ネットワークでドライバーだけ音量を絞ったが、納得がいかないので、一度聞いてみて欲しい、との依頼がありました。
(私の頭の中)「聞かなくても分かるのにな…」
(私)「アンプのノイズをネットワークで絞る事じたい既におかしい」
(お客様)「聞いた感じどうですか」
(私)「中域が足りない為、低域も高域も帯域バランスがずれています、自作派(真空管)ならノイズのないアンプを作って下さい」
(お客様)「良く分かりました、以後、努力致します」
(次のお話)
(お客様)「貴方の話す通りネットワークからマルチにしたら、帯域バランスがとれない、助けて欲しい」
(私の頭の中)「おいおい全然blogをよんでないではないか」
(私が聞いた感じ)「帯域バランスも位相のへったくれもない」
(お客様)「どうですか?」
(私)「少し、私のやり方を見ていて下さい」
ユニットはボックスも含め、見事に私と同じJBL、ただ一つ違うのは、ツイーターもJBLだったので、レベルを総て合わせて、ドライバーだけ逆位相にして終了。
(私)「いかがですか?」
(お客様)「ほ~う一発ですね、さすが」
(私の頭の中)「分かってないな」
(お客様)「この帯域バランスがほしかったのです」
大体がこのレベルなのです、そして、スピーカーボックスと床の間には何も敷いてない、床にベタ置き。
二週間後に聞き慣れたソフトをご持参願い、ウェスタンスピリッツへご足労願いました。
(私)「いかがですか?」
(お客様)「まるでスーパーウーハーでも繋げてるかのようです」
(私)「いいえ、スーパーウーハーなど邪道なものは私は繋げません、スーパーウーハーではこの様にアッサリとは鳴らないのですよ」
(お客様)「あなたのblogで、この様な鳴り方は伝わって来ません、残念です」
(私)「そう、blogは難しいのです、でもしっかり鳴っていてよかったです」
そして、何時もblogに書いてる通りに音質改善をお伝えし、無事にご試聴は終了となりました。
その日の夜に先方から連絡が来ました
(お客様)「家の音なんかお話になりません、これからも宜しくお願いします」
(私)「お伝えしました通りやってみて下さい、似たような音質になるかもしれません」
その後、六十代のお客様はなんと二ヶ月で総てをやり終え、再びお呼びがかかり、私は喜びいさんで駆けつけました。
多少雑なお仕事でしたが、前回とは比べものにならない位鳴っていました。
(お客様)「今ではblogの内容がよく分かるようになりました」
(私)「良かったです」
(お客様)「ありがとうございます」
(私)「いいえ、私は方法をお伝えしただけで、鳴らしたのはお客様です、こちらこそありがとうございます」
みなさんがこの様な行動に移っていただければ良いのですが、オーディオとは誠に厄介なひねくれた趣味なのです。
まだ出会っていませんが、世の中上には上がいらっしゃる筈です、更なる高嶺を目指します。