絹巻きケーブル
当社の絹巻きケーブルを見てみたいとのご要望にこたえ、かなり前の写真ですが載せてみました、久しぶりで眠っていた完成品を繋いでみましたが、柔らかで滑らかでクリアーなスッキリした音でした、絹巻きケーブルを作るのは実に根気がいり、また孤独な作業なのです。
写真の絹巻き線は、グランド(マイナス)側の日本製のPEW(ポリエステルまたはエステルとも言われる)普通の1・6mm単線です、ウエスタンではありません、ここの巻きが甘いとウエスタンスピリッツの音になりません。
ホット(プラス)側はリッツ線(こちらにだけシールドしてある)の為、柔らかくて絹巻きは出来ませんが、グランド線は固いので、絹巻きした後、絶対平行に隣り合わせて、太い絹糸かリネン(麻糸)で強く一気に巻きつけて作ります、この為、甘さと付帯音のない、ごまかしのないケーブルになるのです。
この巻き方は約二十年前、東京近郊のビンテージオーディオ店で、たまたま知り合ったウエスタン研究家の方(後に師匠となるHさん)から教わり作ったものです、とてもではないですが、簡単ではありませんでした。
初めて見た時は正に神業だと思いました、四号の番手の絹糸を強く、均一な力で素早く隙間なく巻いて作るものです、糸で指が切れるか、絹糸が切れるかの攻防です。
私はたまたま孤独な絹巻きの作業に適した性格だったのでしょう、音は最高と自負しております。
私のケーブルが優れていると言うより、市販のケーブルは何年も進歩がなく、酷すぎると思っております。
写真の単線は被膜線ですからまだいいのですが、以前はウエスタンの裸線に巻いて作っていたため、少しでも透けるとケーブルはショートしてしまいます。
私のケーブルは、絹巻きが原因でショートしたことは一度もありませんが。
見て下さい、当たり前ですが一切の重なりや透けはございません、絹巻きが重なったり汚くなると安定したものが作れなくなり、音に影響します。
そして、この様に渦巻き状に出来上がるため、ケーブルにする時、タオルでしごいて真っ直ぐに伸ばす必要があるのですが、かなり力を入れてしごいても一切の透けは出来ません。
ここまでやって初めて絹巻き線は、絹糸がしっかり巻き付き素線と一体化し、付帯音をかなり減らす事が出来るのです。
LCRメーターで抵抗値を測ると、グランドもホットも抵抗はありません測定不能、これが答えです、理論以前に数値が総てを物語っているのです。
これがウエスタンスピリッツの骨頂なのです、他の絹巻きケーブルと同じな訳ありません。
またこの差が分からないと、オーディオは出来ないと思います、職人の方ならば見ただけで分かっていただけると思います。
後から調べたり経験で分かったのですが、絹糸を強く巻き付けて作るのは、かなり理にかなった作り方だと言う事です。
やはり勘ではなく理論ですね、一切の妥協はなく、しっかり作っているのです。
話は変わります、この場をかりて、今、私はなぜか大切な左手の平が痺れて絹巻きケーブルを作る事が出来ません。
しっかりリハビリして痺れを治してから少しずつ作り初め、数がまとまり次第、再度モニター 応募や販売を始めます、暫しお待ち下さい。
今後ともウエスタンスピリッツを、どうぞ宜しくお願い致します。