英ちゃんのお弁当
今日は認知症になった母親のお話です、少しお付き合い頂けたら幸いです。
少し前、母を独り残し、三泊四日で姫路に住む母の弟夫婦の所へ行って来ました。
一ヶ月前から、我々が頼んだお弁当を受け取り、残さず食べてくれるかを、何度も事前訓練をしていました。
配達されるお弁当が美味しいのか、我々に世話をかけたくないのか分かりませんが、独りで受け取って、しっかり食べているのをこっそりと確認したのです。
そして我々が依頼したお弁当屋さんは、母がどんな感じだったのかを後で安否確認の連絡をいただけるのです。
やはり人間は食です、我々が留守の間に買い物に行かれては、帰れなくなったりする恐れもあり、ましてや三泊四日は難しかったのです。
今までは何をやっても総て失敗でしたが、母はお弁当屋さんだけはしっかり受け取ってちゃんと食べているのです、憶測ですが、母のプライドが保たれてるのではないでしょうか。
最近は昔母が好きだった赤玉ポートワイン(甘い葡萄酒)を思い出し、毎晩私が軽くコップ一杯持って行ってます、母はやはり大好きらしく、持って行くと「これ美味しいよね」と顔が明るくなります。
とにかく認知症の方は、諦めずに根気よく、介護する側が理解してあげるしかありません。
他人ならともかく、世界にたった一人しかいない大切な母親の事です。
理解するのはこちらなのです。
母さん、あなたがおもしろおかしく楽しく生きている今日は、私にとってとても素敵な一日なのです。
どうか長生きして下さい。