オーディオ考
私にとってオーディオは人生の総てであり、人生そのものです。
オーディオを通して実にたくさんの事を学びました。
ギター少年だった私は人生が見えず、両親にも理解を得られず、グレていました、甘かったのです、良いことは自分、悪い事は人のせいにしてました。
「ひょっとして俺は、何にも出来ない単なる馬鹿なのかもしれない」そう思っていました。
そして18歳の時オーディオと出会いました、初めて見たときは「凄いな、大きいな、自分の部屋には置けないな」と思いました。
しかし、JBLのスピーカーのフォルムに盲目的に憧れ、二年後には自分の部屋にありました。
それがどの様なスピーカーなのかも分からずに、とにかく酷い音でした。
JBLとは皆さん御承知のようにドンシャリ(ドンドンシャリシャリ)の薄く派手な音かボケた音です、何にもしなければです。
苦節四十年、まだまだではありますが、なんとか鳴らす事が出来たと思っております。
私はこうです、例えば低音を低い音階まで鳴らそうとするならば、他の中域や高域やセッティング(二本のスピーカーの角度や微妙な位置関係)を疑い、他の方向からもせめて来ました。
当然、中域や高域を改善するにも、低音や高音域のバランスや他も手を入れます。
そのような考えに至ったのは、色々なジャンルの仕事をされてる方々との出会いの中での会話や考えや情報です。
様々な方向から見つめ直さなくてはいけない、そうでないと何にも分からないまま歳だけとってしまうと思ったのです。
でもこれがなかなか人には伝わらないのです、オーディオは凝り固まった魑魅魍魎の世界だからです。
私もそうでしたが、誰もが疑心暗鬼で、井の中の蛙状態だからです、人間、分かってない事を分かってから進歩するものです。
それには自分の能力を超える方の教えを乞うことです。
そして沢山のガセネタの中から、たった一つの本物を見分ける眼力と経験が必要です。
私にとってオーディオとは、人生そのものであり、生き方そのものなのです。
オーディオと出会ってなければ、私はもっとつまらない人間だったと思います、生きていたのかも分かりません、なのでオーディオに感謝しているのです。