リッツ線
調布の時から作った色々なパターンのリッツ線を私は総て再度聞いてみて、結果、その総てを処分した。
それは過去からの総てと決別する為である。
もうリッツ線の答えは出ています、過去に聞いて駄目だったものは、やはりその印象が今回も変わらなかった、大学ノートに記録された通りだった。
リッツ線は0.12ミリ被膜単線を108本束ねる、グランド(マイナスは1・6ミリ単線)これらを平行を保たせながらホットにだけシールドをかけて、リネン(麻糸)を強く巻きつけ作る、これしかいい音を作る方法はありません。
これ以外の方法でいくらリッツ線ケーブルをつくろうと、ウエスタンスピリッツのケーブルの音をしのぐケーブルは、リッツ線では絶対に作る事は出来ません。
それは何故か?作った私自身が改めてその軌跡を総て細やかに聞いてみたからです。
外被と空気のギャップなど、拘りたくないレベルまで徹底的に耳で聞いて、理論的にも検証して「これ以上なし」としたリッツ線なのです。
私はこれに定め、更なるリッツ線を特注する事になる、ウエスタンケーブルは、個人的におさらばです。
ウエスタンの単線にはある種独特なところがあり、それでシステムのバランスを取る方法もある。
しかし、ウエスタンスピリッツはハイエンドオーディオケーブルを目指した、結果、ウエスタン線は新たに開発したリッツ線の音を超える事は出来なかった。
しかしリッツ線はとても難しかった、線の細さの限界と束ねる数、グランド線との太さのバランスそして作り方、端子や半田に至るまで何一つ妥協出来なかった。
しかし作った意味はあったと言える。