本物
色々な趣味を通して分かってきたことがある、最高とはこちらが分かるか分からないかで一生を終えるかだと思う。
味、ロードレーサーのパーツを変えたとき、車、ワインの飲み比べなど色々あるが、オーディオ程大きな差はないのです。
ロードレーサーならば、ギヤ比を変えてみてもそんなに走りは変化しない、ズバリこちらの体力であり、日々の身体の鍛え方である。
自転車ならば、軽いギヤを回し(一分間で約90回転)、早く走る能力があれば、膝に負担をかけず遠くまで走る事が出来る、しかし反面、心肺能力を鍛えなければ息があがってしまう。
ワインの差ならば、何年にどこの何年の何の葡萄をどの様な製法で作り、どの様な管理状態で保管されて来たのか、これが微妙に味に出るのである。
味ならばどの様な素材をどれだけ手間をかけて、真剣に作られどの様なタイミングでテーブルへ運ばれて何度で提供されるのか、ここが肝心である。
しかしそんなに大きな差はないのですが、それが分かるか分からないか、これは食べる側や使う側の個人の経験とセンスでしかないと思う。
分かる方には即座に分かる、しかし拘りのない方には永遠に分からないと思う。
オーディオや楽器もそうである、誰もがストラディバリやガルネリや、マーチンのアコギを購入してもその音は鳴らせない。
一流の方が弾くからストラディバリやマーチンはその音になる、一流の方が弾いたら多分、質流れのような安価な楽器を弾いても多分同じ音になると思う。
そんなものだと思う、しかしオーディオには尾鰭は鰭(おひれはひれ)つくのである、一流を知らぬ輩がそう決めるのだと思う。
ただ聞いて「これが本物だ」と言われても私にはさっぱり分からない。
「ではあなたは本物の素晴らしさを知っているのか?」私はこう聞きたくなる。
改造したら音の調整が出来る?そんなものは実は大した事はない、ご本人だけがいいと思ってる自己満足にしかすぎない。
オーディオの音など大した事はない、何かを施して大きく音が変化するならば、他の何処かがおかしいのだと思う。
オーディオはソフトに録音されたまま素直に鳴るように努力したらいいと私は思う。
それが一番難しいのですが、皆さん何かを勘違いされていると私は思う。
自分の好みの音にする、そんなものは何処にもないのです、よく考えてまともな音とはどんな音なのか?これを理解出来ずにオーディオはまともな音にはならないと私は思う。
先ずは、何も追加せず、まともな音にしよう。
先ずは質の高い本物を知ろう。
ツールドフランスを観たら分かる、彼ら世界のトップ選手たちは、集団で走るから早いのではない、ひとりで走っても平均60キロのスピードをキープして走る事が出来る。
何も特殊なロードレーサーではない、極普通の市販のロードレーサーでもなんなくそのスピードをキープして走る事が出来るが、殆どの選手はそれでもアシストで終わるのである。
オーディオだって全く同じなのです、特殊な機材だけが優れた音を鳴らす訳ではありません、多少は違いますが、
音はあなたのスキルそのものなのです。
貴方が揃えた機材はワインの葡萄に例えると、まだ何にもしていないたんなる葡萄にすぎない、それを素敵なワインにするか、普通のワインの(2~3千円のワイン)域を越えられないかの差である。
経験を積んだり、他のシステムを聞いたり、クラシックコンサートを頻繁に聞いたり、これが大切である、オーディオはそこそこ完成されているのである。