GEバリレラMONO針の音
昔から何度も話は聞いていた、ジャズを聴くならオリジナルのモノラル盤を購入するべし、カートリッヂはGEのバリレラ(バリアブルリラクタンス:意味は可変磁気抵抗)。
そして、スピーカーはJBLだよと、その方からお伝えいただいた、つまりUSA、本当にその方が真意を分かっていたのか、確かめるすべはもうありませんが、時を経て音を聴いて納得です、一言、鮮やかしなやかな感じです、多分、アメリカではこのような音質でモノラルレコードを楽しんでいたのだろう。
私はこう思っていました、アームはグレィかフェアチャイルド、私が使用しているSAECのWE-308SXではバランスしないだろうと。
しかし本日、音を聴く限りに於いて、その考えは多少、取り越し苦労だったのかなと思った、他のアームの事は分かりませんが。
デクレテトムソン10インチ盤のズートシムズや、同じく10インチ盤のサボイのレスターヤングは、今まで使ってきたオルトフォンのカデンザモノでは、全く再生しきれてなかった事がはっきりと分かった。
SP盤の音は確かに素晴らしい、しかし蓄音機は程度のいいものは、べらぼうに高い、しかし、SP盤はやはり蓄音機で聴くもの、これは理屈でなく当たり前の事で、よく考えたら分かるはず。
かと言って小型の蓄音機では音が違う、クレデンザは素晴らしいが、図体も大きくお値段もかなりご立派です。
バリレラ針を聴くまでは、ジャズのモノラル盤は音が古い、そう思っていた、そして数年前、モノラル盤再生を可能にする真空管式フォノイコライザーを購入したが、やはり音は水っぽく感じる。
でもそうではなかった、世間のオーディオマニアは、オルトフォンが多い、オーディオテクニカやデンオン等もあるが、バリレラ針を聴いてしまうと全く違う。
個人的にバリレラは1milの針を装着して、針圧は6グラムで聴いている、SP盤は3mil針。
0.7milも所有しているが、比べてやはり1milの針が私は好きですが、最近のモノラル復刻盤は、ステレオと同じ音溝の幅なので0.7mil針で正解です。
一聴した時「こんなに違うものなのか」そう思った、そしてやはりこう思った「今のステレオ録音もしなやかで悪くはないが、やはり音楽と録音は、大まかには1950年代に終わっていたのだ」と。
そう思わざるを得ない位の音の差なのです、カートリッヂやトーンアームは正に楽器です、正確な動作と合わせて音も作っているのが、バリレラ針を聴いて理解出来た。
蓄音機と音や雰囲気は違いますが「蓄音機を購入出来なければ、バリレラ針を使いなさい」と言っても良いのではないでしょうか。
一緒に使うトーンアームと合っていたら、バリレラ針はあなたに真実の答えをくれるでしょう。
そしてバリレラのトリプルプレイも購入してみた、1milと3milの針をチェンジして聴けると言う便利な代物です。
3ミルの針はSP用との事、我が家にSPのジャズ盤はなかったので、クラシックのSP盤を聴いてみた。
モノラル再生用の真空管式フォノイコライザーなど、必要ない事を知った。
特にフォノは、余計なものを繋いでいると、ノイズの発生源になる、後から変な事を施してノイズをなくそうとするから音がボケる。
少し前に譲っていただいたバリレラ針は、片方のチャンネルしか配線がなく、右チャンネルしか繋いでないため、ウエスタンスピリッツではどうしても音が薄くなります、でも音がいいのでそちらはそのまま大切に使います。
ウエスタンスピリッツは、二本のスピーカーで総てのバランスをとってるからだと思います。
その為、バリレラのトリプルプレイを、モノラルからステレオで配線されてる個体を欲しかったので、探し購入してみた訳です。
聴いてみたところ、1950年代の鮮やかなしなやかな音を聴けたのです、正に最高、めでたしめでたしです。
GEバリレラは、とても優れたカートリッヂですが、並みの努力やオーディオシステムでは鳴りません、しかし鳴ると一種独特で麻薬のような素敵な音を得る事が出来ます。
やはりオーディオは余計なものを繋いだり、足してはいけない、私はそう思います。
鳴らないのにも、しっかりと鳴るにも、ちゃんと理由があります、私はもうブレません。
そしてこの上に更なる扉があることも分かっていますが簡単には書けません、勘違いされる方がたくさんいらっしゃるからです。
情報は時を経て、少しずつ公開する事に致します。
モノラル録音の音が古いのでなく、ちゃんとした針を使う事が大切、信号を受ける機材は素直に受けるだけ。
バリレラ針は古い録音と思っていたジャズのモノラル盤を、しっかり鳴らし分けてくれました。
バリレラはウエスタンスピリッツの愛する、JBL4560BKとベストマッチ致します。
やはりモノラルレコードを鳴らせないのは自分だった事になりますね。
そして今までアナログの事をたくさん書いて来ましたが、ネットオーディオでもCDも新たに、優れた音楽のソフトがたくさん出て来た。
ウエスタンスピリッツは、オーディオを改善してきてまだまだではありますが、かなりの音質になりました。
すると更なる真実が見えて来ました「音楽は新たなものもあるが、その総ては先駆者からの継承ではないか?」そう思うようになって来ました。
今、家内が検索しています、HMVからアナログレコードがどんどん復刻されているようです。
何か感じますね。
こんな時代にバリレラ針で、モノラル盤を聴いてみるのも楽しいものです。
また別の何かが見え隠れして来ました、私もそろそろ頑なに守ってきた自分の殻を、壊す時が来たのかも知れません。