アナログを極めるその1
この内容は少し前の事を書いており、実際は更に先へ進んでいる。
今までウエスタンスピリッツのアナログは、あえて一つ前の116㎝のリッツ線を交換せずに使って来た。CDラインでの検証をしていた為である、なのでCDのラインは完成した。
アナログも今回の新しいタイプのリッツ線に交換が必要である、交換すると音のレベルが違うのはもう目に見えている。
今回ラックや機材の下や、スピーカーの下に板を敷いた実験で、取り回しを考えていたケーブルの距離が、更に詰まり、そのケーブルの長さが短くなった。今までは実験の為に116㎝だった、そのリッツ線を今回二本、50㎝につめて作り直したのである。
場所はトーンアームの内部配線と直につながるMCヘッドアンプ迄のピックアップケーブルと、MCヘッドアンプからプリまでのケーブルである。当然二本ともシールドタイプのリッツ線である。先ずはMCヘッドアンプからプリまでのリッツ線を繋げてみた。
ご承知の通り、リッツ線は、長さと素線の本数の関係があり、更にエネルギーロスを減らせると確信した。そして新たなリッツ線は、素線を痛めず端末剥離がとてもしっかりしている。
つまり51.6㎝短くなった、その結果、リッツ線なので表皮効果の改善効果は更に上がり、結果、音は間違いなく激変したのである。
もともと116㎝の長さで、研究を開始したリッツ線である。長さが半分以下になればその効果はケーブルが半分の長さになった事で、単純に倍になるのである。
しかし、116㎝の長さで実験した時は、素線の数を倍にしてもこの様な音質にはならなかった。
これでリッツ線は、単純に理論だけで解明出来ない何かがある存在する事をはじめて知ったのである。
それにしても劇的な変化である。後一本リッツ線を交換するところがある。それには先ず、ターンテーブルのキャビネットの体積を増やし、剛性を上げる事が必要である。その時にピックアップケーブルをトーンアームの内部配線と直に半田で留めて繋げるのである。
それにしてもポリウレタン被膜を熱で溶かして導通させるなど、個人的なオーディオの常識ではとてもではないが考えられない。剥離剤を使い、しっかり綺麗に剥離した方が良い。
それにしても今回のリッツ線は上手く出来た。一ヶ所交換する毎にシステムの音は高みに登っていく。
その鳴り方とはクリアーだが、体全体が包み込まれるような、極上ライヴ(生演奏)の鳴り方そのものである。
しかしやはり想定どおり、ターンテーブルが鳴り、ハウリングマージンが落ちた。やはりターンテーブルのキャビネットを更にしっかりさせなければならない。さて次なる実験で再生音のベールは更にはがれる筈である。
それにしてもケーブル一本で、これだけエネルギーロスが減るのである、今回のリッツ線は本当に素晴らしいと思う。
そしてこれから作るキャビネットは、響きの優れたチーク材を贅沢に使う。静かな穏やかな音から、いきなりマックスまで鳴る音がどれだけ凄い事なのかをウエスタンスピリッツは実感する事になると思う。低音は強く前に出てくる筈である。
しかし、ウエスタンスピリッツは、個人的にはまだまだである。
世の中にはひっそりと、更に物凄い音を鳴らすシステムがどこかに必ず存在するからである。