上尾のOさん
Oさんはクラシック党である。ロックやジャズも聞かれるが、九割はクラシックである。
スピーカーはB&W MATRIX802ダブルウーハーのトールボーイタイプである。アナログプレーヤーはガラード#301で、トーンアームはオルトフォンRF297、カートリッヂはオルトフォン1973年製のSPUA/Eである。
それをCROWNのIC‐150AとD‐150Aで立派にドライブされている。
私とは違った意味でスピーカーのセッテングに長けていらっしゃる、とても努力され、いつも静かでクリアーな音を保たれている。
ウエスタンスピリッツは、いつもこのOさんのB&Wの研ぎ澄まされた性能に負けて来たが、努力の甲斐あって並んだと思った。それでお越し願った次第である。
さて試聴の結果はどうだろうか。皆さんはJBLでクラシックは難しいと思っていらっしゃるだろうが、実はそうではないのである。
今日も感じたが、やはりアナログの慣らしは大切で、三時間はかかると思った。Oさんは聞き始めて30分程たち一言、「中音が強くないですか?」と感想をのべられた。
直ぐにカートリッヂやMCヘッドアンプ、そしてフォノイコライザーの慣らしだと気が付いた。今日は一時間は鳴らしておいた。しかし、待ち合わせの時間と食事の時間合わせて一時間は鳴らしていない、三十分位ならば目覚めるのは早い、しかし、一時間止めると、いくらCDを鳴らしておいても、鳴らしてないよりはましだが、簡単に目覚める事はない。
鳴らし初めはだいたい12:00だった。そして、本当に鳴り始めたのは15:00頃だった。やはりカートリッヂはなかなか馴染まないのを知った。
その後は鳴らせば鳴らす程良くなった。強く感じた中音がやっと穏やかになり聞きやすくなった。
今回Oさんが感じられた中音が強く感じるのは、ウエスタンスピリッツはホーンスピーカーなのと。スピーカーのセッテングもあると思う。しかし、どう考えても音の質でありセッテングだろうと感じる。
二本のスピーカーのセッテングがしっかり決まれば、想像を越えた音になるのである。それを何度も友の部屋で経験してる。
しかし、どうしても私はセッテングの技術に乏しいのである。左右どちらかのスピーカーを1㎜単位で動かすだけで、音は右によったり左によったりする。
それほどモノラル再生で、全帯域奥行きを伴いながら真っ芯に音をもっていくのは困難である。
二本のスピーカーを内振りにすると決まったかの様に聞こえたセッテングは、ステレオで再生してみると、全く定位が決まっていない。なので内振りにセッテングしても決まってないのが分かる。
寧ろ音が手前でクロスしてしまい、左右逆に聞こえる事もある。またこれが分からないとオーディオを突き詰める事は出来ない。
何度アドバイスしても内振りセッテングをやめない方がいらっしゃる。多分視覚的なもの、頭や見た目や慣れで勘違いされてるのだと思う。
定位は見た目通りにならない。内振りセッテングの皆さんの音の特長は、無機質でつまらない音になっている。
話は戻るが、今日のOさんのご指摘はとても助かった。そして、ご持参頂いた三枚のレコードは選んでるだけあり、流石に総て名盤だったと思う。
私のコレクションを先に鳴らし、Oさんのレコードを後から鳴らすべきだった。
Oさん、申し訳ない、でもとても参考になりました。