エージングの大切さを知ろう
ウエスタンスピリッツはエージング(慣らしの時間)の大切さを語って来た。
CDならば最低一時間、アナログならば最低レコードを四面、真剣に聞かれる前に鳴らしておかれる事をおすすめ致します。
もしも私が話した通りエージングしてから聞いてみたとして、その差が分からなければ、今の貴方はまだオーディオを理解出来ないでいると思う。
エージングがしっかり出来ていないオーディオシステムの音は、力なく、どことなく絵空事の様な、情報量の少ない頼りない鳴り方なのである。
嘘だと思うのなら実際に鳴らしてみてから答えを出して欲しい、みんなやりもせず答えを出している方が多いと思う。オーディオは拘りの趣味である。
しかし、もしもしっかりエージングしてから聞いて差が分からなくとも、貴方の耳が悪い訳ではない。経験不足か、貴方にその表現力がまだ身に付いていないのだと思う。
私も、以前はあまり違いが分からなかった一人だった。その差とは僅かな差とも言えるが、真剣に理解しようと聞いているうちに「違う」と分かって来ると思っている。
私と長いお付き合いの、たくさんのお客様も、殆どの方も以前は酷いものだった。
一番分かり易いのは、これはエージングとはあまり関係ないが、鳴らしているときエアコンをかけていたとする、音楽を聞きながらそのエアコンのスイッチを切ってみる。
音が太くなり全体的に音がキュッと引き締まるのが分かると思う。上手く完成されていないシステムの場合エアコンを入れると音が甘くなりボケるので、そちらの方が聞きやすくなる場合だってある位である。
しかしエアコンが入って聞きやすくなるのは誤魔化しの方向で、私の経験から些か良くない状態である。つまりかなり重症である。
後は部屋にあるパソコンである。こちらもエアコンと同様である。パソコンを切ってもデジタルノイズは止まらないが、電気が入って起動してるよりはましである。
毎日エージングがしっかり完了したシステムは、エージングしていないシステムに比べ、かなり音質の差があるのである。
なので、私はデジタルを聞く日とアナログを聞く日を分けている位である。
そうしないと両方まともに聞けない事になる。だからお客様が来られる日は、アナログ、デジタル共に、両方かけなければならないので、実力は半分に満たない事になるのである。
CDならばエージングの時間リピートして出掛けていれば済むが、アナログはそうはいかない。ずっとエンドのところでレコードに針先がこすれて、針先が磨耗してしまうからである。
このお話を聞いて、そんな面倒な事はやってられないと思うのならばオーディオは出来ない。
優れた音を鳴らされてる方は、当たり前の様に毎日エージングにお時間をかけていらっしゃる。これだけは間違いない。
少しでも良い音を聞きたいと思うのならば、エージングはオーディオの常識である。