ウエスタンスピリッツのオーディオ構築、ネットワーク
総ては書ききれないが、これから日にちをおいて、大まかに書いてみたい。先ずはネットワークである。
私は、数年前に一旦手放したJBLを再度揃えた。その時、オリジナルのネットワークLX‐5を中古で購入した。三ヶ月位で片方のドライバーだけが大きな音量にしないと鳴らなくなった。
中をあけ色々メンテナンスしてみたが治らず、中の部品を金属のボックスから総て取り出し、板の上に並べ鳴らしてみた。音は開放的だった。
やはり何処かで接触不良を起こしてるのか、片方のドライバーだけが同じ様に鳴らない。
次に、JBLオリジナルと同じ部品定数で、安価な部品で揃え簡単に作ってみた、驚く程音が良くなった。
安価でも、部品が新しい為、定数がしっかりしたからだと思い、半年程満足して聞いていた。しかし、音質に不満が出た、音に品がない。
やはり、もっと品位の高いしっかりした高価な部品が必要と感じ揃えて、オリジナルとは違う教科書通りに定数を置き換え、自作ネットワークを作ってみた。驚いた、全くスピーカーの鳴り方が変わった。
そして、そこからネットワーク地獄が始まり、時間はかかったが今はかなりの完成度と自負している。
カットオフ周波数や固定抵抗の部品定数やアッテネーターの種類や部品の質、実に多岐にわたり優れたネットワークが構築される事を知った。
そしてネットワーク地獄にはまり三年が経ったある日、遂に出口が見えた。よしっ!ここまで来たら後一歩、ネットワークを高、中、低音に分けて響きの良いチークの分厚い板の上に作り、各々距離をもたせ、スピーカーの後ろの壁に吊るそうと思いやってみた。
ネットワークを各々分けてスピーカーの後ろの壁に吊ると、スピーカーからの振動から解放される為、目を見張る程の素晴らしい効果だった。
なぜウエスタンスピリッツのネットワークは成功したのか。スピーカーボックスから隔離して、JBLオリジナルネットワークをあきらめたからである。
オリジナルネットワークは、既に古く、アッテネーターの接触不良や部品定数の容量が抜けており、狙った周波数でカット出来ていない。
そしてJBLのネットワークは、教科書からかなり外れた独特な部品定数になっている事に気付いた。
これが、JBLネットワークを諦めた理由である。8Ωは8Ωで、16Ωは16Ωで計算し、部品定数を正確に割り出さなければならない。
そして出来る限り配線を短く、リード線同士を直に半田で留めるなどして、部品同士の向き等も干渉しない様に考慮して、シンプルに配線した方が良い。
そして、時代と共に部品のレベルも上がっていると思った。
では何度も書いてきたが、ウエスタンスピリッツのユニットを紹介しよう。
ボックスがJBL 4560BK、ウーハーがJBL 130A能率101dB、ホーンがコーラル AH‐500、ドライバーがJBL LE‐85能率108dB、ツィーターがテクニクスEAS‐9HH42能率101dBである。
お分かりだろうか?ウーハーとツィーターの能率が同じ101dBなのである。ツィーターには、ドイツ製ムンドルフの最高級品4μfのコンデンサーしか入ってない。
このツィーターを私にお伝えいただいた方には今でも感謝している。他のツィーターでは到底得られない芯のある音を聞ける。
このツィーターを、アッテネーを使わずにバランスさせられたのは、今のサウンド構築の大きな鍵となったのは話すまでもないだろう。
何度でも話すがツィーターの鳴り方はウーハーやドライバーにも影響し、ドライバーの鳴り方はツィーターやウーハーにも影響し、ウーハーの鳴り方も総ての帯域に影響するのである。
試しにツィーターだけを外して聞いてみると、ウーハーの鳴り方がだらしなくなり、音が引き締まらなくなり低い低域を再生出来なくなるのである。
単体で鳴らしてみてもツィーターは殆ど聞こえない。しかし、他のユニットと繋げると抜群の繋がりになるのである。
オーディオとは総てが三位一体それをお伝えしたいのである。
しかし、それを理解出来ても、やはりネットワーク構築はとても難かった。