遂に端正な音になった
今回の内容は少し前の出来事です。しかし、少しずつではあるが、更なる高嶺に登っている。オーディオに終わりはない。
ウエスタンスピリッツは、今年2014年後半、肩を痛めてからあまりオーディオを改善していない。また肩が痛くなるのではと少し怖いのもあるが。
そしてその予感はドンピシャあたった。
聞いていて妥協なく違和感がなくなった事と、暫くオーディオに手をつけずに、今の音を来年から新たに行う音質改善の為に、今のうちに真剣に聞いておきたいからである。
来年が、多分ウエスタンスピリッツ音質改善の最終章になる予感がある。つまり引っ越す前に考えたやりたい事が総て終わって、やってみたい亊が減ってしまったのである。
JBLをよくもここまで鳴らしたと言うよりは、ウエスタンスピリッツのJBLは、もはや普通のJBLではないと言う事である。
こんな言い方はあまりしたくはないが、ある意味現代のハイエンドに近いと思う。ヴィンテージとハイエンドの良いとこどりと言った鳴り方になった。
どんな音か話そう。全帯域どんなフォルテシモ(強い音)が入っても、音の飽和が一切なく、録音されてる内容が総て軽々と再生されている。
そしてびっくりするほど音が早いのである。本当の早さが鳴らないと、ゆったりした雰囲気も鳴らない事になる、つまりこれが音の切れである。
穏やかで、高音、中音が鮮やかで切れよく爽やかで開放的に鳴っている。そして何より低音が最後の低い音階まで飽和がなく抜け良く軽々と再生されている。
普通の38㎝ウーハーはどこで聞いても限界を感じるが、ウエスタンスピリッツの130Aには飽和が一切なく、引き締まって奥の方から強く前に出てくる。しかし、クリアーな低音を文章にする事がなかなか出来ない。
そしてその三つのユニットは、とてもバランスよくまとまり、重厚で濃厚な味わいで爽やかなのである。
ジャズを聞いてもクラシックを聞いても、ボーカルを聞いても、実に録音のコンセプトを上手く鳴らし分けている。しかし実際にウエスタンスピリッツのサウンドを聞いてみると、多分好みの差などないことに気が付かれると思う。
正しく鳴りきったシステムは、総て似たような鳴り方になるからである。つまり、良い音には似たような鳴り方の定義がある。
クリアーで開放的、再生周波数が広く、滑らかで静かで重厚で濃厚、そして奥行きと広がりは他とは例えようがない。そして、総ての音は総てしっかり分離しながらも音楽的にまとまっている。
どんなに小さな音量でも情報量が減ることがなく、どんなに大きな音量でも、びくともしない不動の雰囲気がウエスタンスピリッツのシステムの鳴り方にはある。
あまりシステムに手を入れなくなった今、聞いていて妥協なくそんな風に感じる。
そして、本当に上手く鳴れば鳴る程にオーディオは、音が大きくても、近隣や階下の人に迷惑をかけなくなるものである。
やはり良い音は歪みがなくクリアーで強いが、違和感なく柔らかで静かなのである。
鋭さや甘さや固さや柔らかさは、総て鳴らさなければならない。そして、絶対に実際の楽器以上にうるさくならないのが良い音の条件である。
誰かが、貴方のシステムを聞いてうるさいと感じるならば、それは素人だからオーディオを分かってないのでなく、やはり、うるさいのである。
さじ加減などでなく、やはりオーディオは経験とピカ一のセンスをもって、正攻法を突き進むしかないのである。
これさえお忘れにならなければ、いつか貴方もウエスタンスピリッツの様に、桃源郷の様な、異次元オーディオの扉を開ける事が出来るかも知れない。
嘘ではない、疲れて眠くならない限り、何時間でもオーディオを聞いていられる。そして貴方のソフトのコレクションから、鳴らないソフトが一枚また一枚と消えていく事だろう。
曲調の好き嫌いは確かに存在する、しかし、鳴らないソフトが消える事は確かである。その音の差は僅かではない、遥かに先に確かに存在する。ウエスタンスピリッツはそれを既に証明出来たのである。
ケーブルの大切さや、その質、システムの設置のさせ方、ケーブル総ての取り回しや、端末処理の大切さ、総ての機材の調整のしかた、電源の大切さ、購入した時の初期のエージング、普段のウォーミングアップ、この総てを妥協なくしっかり固めたのがウエスタンスピリッツのオーディオシステムである。
そして、一つの事に拘り過ぎない事、総ては万能ではない事を知ること。そして、何でも柔軟に受け入れる事が出来る広く素直な謙虚な性格、そして本物を見抜ける能力、これが大切である。
私もそうだったが、自分は分かっていない、素直でないと心底気が付いた時から、道は以外と早く開けたと思う。オーディオもまた同じ、千里の道も一歩から。
それが分からなければ、貴方の音は、永久に今のままである。それで上手く鳴っていると思えれば、誠に幸せな人生になるだろう。機材の相性などとるに足らないと思う。
それにしても今、目の前で鳴っているショルティー指揮のデッカ盤ヴェルディー アイーダの素晴らしさは見える様で、息を飲む程である。
やはりJBLは素晴らしいスピーカーメーカーだった。そして鳴らないレコードは多分存在しない。