ノイズカットトランス
このお話は、実際は少し前の内容であり、ウエスタンスピリッツは更に更に、先へ進んでおります。そして、更に素晴らしい音になったのです。
ノイズカットトランスを、CDとアナログプレーヤーから外して三日間聞いて来ました。
やはりノイズカットトランスを繋ぐと、重たい荷物を背負った音になっていた事が分かりました。しかし、そこに気が付くのも、やはり経験とセンスだと思います。
その正体は、付帯音です。外して初めて人の声や、奥でかすかに鳴っているトライアングルが、太くこちらの耳にしっかり届いた、そんな感じです。鳴り方が全く違います。
低音も更に低い音階が、自然に色濃く、下からさりげなく現実的に鳴る様になりました。
オーディオが鳴っているとは思えません。耳の縛りはなく、更に軽く聞きやすいです。しかし、これはあくまでも、かなり鳴ったウエスタンスピリッツではの事です。
一般的な、本物の低い音階が鳴っていないオーディオシステムでは、ノイズカットトランスを繋ぎ、少し付帯音を追加させた方が太く堂々と聞こえ、聞きやすいかも知れません。
そして再びCDにだけノイズカットトランスを繋げて一日聞いてみました。CDの薄い音を解決するのに、ノイズカットトランスは有効と感じました。
アナログプレーヤーにも再びノイズカットトランスを繋げてみましたが、やはり付帯音がついて、明らかに音がこもりました。
そして、三日間聞いてきて最後の砦です、ずっと気になっていたMCヘッドアンプです。ノイズカットトランスを外しました。
なんという奥行きと広がり、中音域の上品さと軽やかさのある気品を感じ、ストレスのない素敵な音なのでしょう。
更に静かになりました、ホールやスタジオの響きそのものに感じます。そして、私の好きな低い低音はもっとたくさんの空気が動き、更に引き締まり、奥からあり得ない位鳴りました、正に激変です。
ノイズカットトランスを繋げた時は、音が深く太く重たくなったと感じたのを、楽器の質量が上手く鳴ったのだと、私が勘違いしたのです。
ウエスタンスピリッツでは、ノイズカットトランスは、プリアンプは仕方ないとしても。CDにだけは有効と今回は感じました。
システムが更に鳴ってくると、ウエスタンスピリッツでは、ノイズカットトランスを総て外す日が来るかも知れません。
オーディオは本当に難しいと思います。今回は、過去に駄目だった事が良好となり、過去に良かったものが良くない結果となりました、でも、もう答えは出たのです。
これら総てはトータルでのバランスです。つまり、驚くなかれ、まだ道の途中だったのです。
CROWNのIC‐150Aは117V仕様なのでノイズカットトランスは必要ですが、ウエスタンスピリッツに限って、ノイズカットトランスは、もう必要なくなりました。
MCトランスを外して、MCヘッドアンプに交換した時の事を思い出しました。その時、音質は数倍クリアーになったのです。
ノイズカットトランスは、CDにのみ付帯音を追加させ、確かに音に芯を付ける事が出来ます。しかし、こもった付帯音は少し邪魔になっています。つまり、これがトランスの音だったのです。
そして、慣らし最終日(鳴らしっぱなし72時間後)の次の日の夜の事です。前後感が出ていて、今までには絶対に鳴っていなかった、ゾッとする様な音がたくさん鳴っています。
複雑に絡んでいた紐がまた一つ解れました。そして、ウエスタンスピリッツは、更なる高嶺に登る事が出来ました。
そして数日後、更に鳴って来ました、もう楽しくて止められません。