大切な中音
こちらのレコードは、船橋のIさんから頂いたものですが、なかなか上手く鳴るレコードではありません。正直、真価を鳴らすのはとても難しいのです。
再びノイズカットトランスを繋いで上手く鳴る様になりました。やはり100Vだけの音は薄く水彩画のようでした。総てに繋ぐ必要はないですが、やはりノイズカットトランスは適度に必要と判断いたしました。
一言、主観で呟きます。ノイズカットトランスは、ノイズをカットするから音が良くなるのではなく、それを繋ぐ事によって、適度に付帯音を追加させ、トランスの音になるのです。
そして、ノイズカットトランスは、特注する時に、使う機材の消費電力が例え小さくとも1000W以下のものを注文してはいけません。パワーアンプならば、最大消費電力の三~四倍はあった方が良いと思います。
そして、オーディオは極限迄鳴って来ると、中音域が充実するのです。そこに高音や低音が乗ってる感じです。
普通どうやってもJBLの音というのは、アルテックの様に腰のすわった中域にはならないのですが、ウエスタンスピリッツでは、中域がしっかり鳴って来ました。
以前はでしゃばっていた低域や高域は、鳴っていない訳ではないのですが、自然で、でしゃばらなくなったのです。
その中音域とは、柔らかく奥行きと広がりがあるのです。そこに、アルテックにはない太い低域が追加され、とてもバランスが良いのです。
多分、これがミキサーの意図した録音の音質なのだと思います。
ただ鳴り方だけを闇雲に追っていた時は、この様な鳴り方はせず、絶えず不満だらけでした。
ところが、これだけ神経質な私が聞いていても、今は、あまり不満を感じなくなって来たのです。
これは、自画自賛ではありません。時間はかかりましたが、多分、ウエスタンスピリッツの音質改善は、上手くいったのです。しかし、ノイズカットトランスを繋ぐと、確かに情報量は減ります、それでも繋いだ時の生命感の様なものは素敵に感じます。
ここまで来たら、システムを見渡して見ても、あまりやるべき事は残っていません。
オーディオはちゃんと鳴るのです。オーディオが上手く鳴る程、中音域は柔らかく滑らかになり、充実するようです。
うるさかったり、ささくれたりした中音域は、絶対にいただけません。
チェロの音は、普通JBLでは少し膨らみ、何を聞いてもジャズっぽくなるのですが、今はそんな事はなくなりました、これを改善するのはとても難しかったです。