ウエスタン16GA
ウエスタン等に代表されます16GAまたは16AWGとは、アメリカンワイアーゲージの事です。
ノギスで測れば分かりますが、約1.45㎜の太さであります。ウエスタンスピリッツは、過去に人伝に知りました。
音が素晴らしいワイアーで、帯状にした絹を軽く巻き付けていて、私は、その素線に更に絹糸を巻き付けてグランドとして、スピーカーケーブルに使っていました。
電源ケーブルはホットもグランドも、ウエスタン16GAブラックエナメル(実際は濃い紫色)NOS(ニューオールドストック)を使っていました。
しかし、数々の素線と合わせてケーブルを作る内に少し物足りなくなって来たのです。
そして、そのブラックエナメルの16GAは、とても高価なもので数が少なく遂になくなってしまったのです。
私は物作りの職人です。いつも安定していて仕入れが出来て、尚且つ16GAよりも安く、音の良いケーブルが作りたかったのです。そして、変なウエスタンの神話を崩すために、リッツ線を徹底的に研究したのです。
細い素線を複数束ねた方が良いと言っても、細さには限界があると知ってから、0.12㎜単線が測定値が良かったと知り合い(スイッチング電源屋さん)から情報を得た私は、徹底的に太さの違いを単線でケーブルを作りながら聞いて0.12㎜単線が耳で聞いても優れた事に気が付き。
大好きだったウエスタンの素線0.6㎜と同じ直径になるように計算し、25本を割り出しましたが、音は聞いてみると定まらず、増減を繰り返し、0.12㎜単線が27本束ねたものがウエスタンワイアー0.6㎜と同等と定めたのです。
ウエスタンスピリッツはただ闇雲にリッツ線を研究した訳ではなく、ウエスタン0.6㎜ブラックエナメルで、純銀コーティング(鈴メッキではない)の単線が良かったので、その音をリッツ線に置き換えて答えを出したのです。
当然もっと細い素線も太い素線も、総て聞いてみた事は言うまでもありません。
16GAは1.6㎜ではありません。日本にはない約1.45㎜なのです、今となっては少し物足りなさを感じます。
ウエスタンスピリッツがグランドに使っているのは、日本製の1.6㎜PEW単線です、あしからず。
ウエスタンスピリッツは、以前はケーブルを1メートル左右ペアで十三万円で販売しておりました。ホットもグランドも、ウエスタンの高価で数が少ない素線を使っていたからです。
それが、左右ペアで六万円となり、現在の左右ペアで四万円になったのです。高い時は売れましたが、安くすると急に売れなくなりました。
理由は、良く分かりません、ウエスタンと言うブランドイメージがあったからかもしれません。オーディオはブランドではありません、オーディオである以上大切なのは、作りでありホットとグランドの数や太さのバランスであり、やはり音です。
今、巷に出ているいかなる16GAも、正直あまり良い音はしません。力なく情報量も少なく、白黒の様な音で、カラーを感じず暗い音です、弾んだ雰囲気に乏しいのです。
ウエスタンスピリッツは、もうすぐスピーカーケーブルも製作し、モニター応募を募る予定でおります。ただやはり、長さに制限がございます、お楽しみに。
私は、過去から色んなパターンでウエスタンワイアーを使い、千本は作ってみたでしょうか、ウエスタンワイアーの時代は、もう終わりました。そして、時代は常に進んでいる、そんな気が致します。