鳴り方
二本のスピーカーを無視して真ん中から鳴っていると思いきや、左右に広がり楽器の居る所からも鳴る。
しかし、総ての楽器はスピーカーから完全にはがれていて、スピーカーからは聞こえない、ひたすら柔らか穏やか滑らかで、くっきりとその影を感じます。
一般的なオーディオと比べ、余計な付帯音のないそれは、どこか蓄音機の音を彷彿とさせるところがあります。
もっと言えば、鳴らないジャンルやレーベルはもうありません。
ウェスタンスピリッツの音とはどんなものなのか、ご試聴に来られるお客様は、実に様々なジャンルやレーベルのソフトをお持ちになられます。
人のフィールドで比較される場合、ご自分のソフトをご持参で来られるのは常識だと思います。
何も持参されない場合、こちらがシステムで上手く鳴りそうなソフトを選んでいるかもしれないからです。
試聴は所詮ご自分のシステムとの比較にしか過ぎないのです。
それと、どこがどう違い、良いか悪いか、または何故か。
違いを聞き分けた方は驚き憧れます、今、ウェスタンスピリッツはそんな感じなのです。
今、目の前で日本盤のフランスのトランペット奏者アンドレ・ベルナールのデビュー・アルバム、トランペット協奏曲が鳴っています。
以前中古で購入し、使っていたCROWNやNIKKO電子のアンプの時には、絶対に聞いた事がない素晴らしい音で鳴っています、思わず耳を疑います。
盤はCBSソニーの28AC1193で、とにかくうるさくて音が薄く、上手く鳴った事がなかったのです。
今は軽やかで、きらびやかなフルートのような奏法は、とても素敵です。
最近私は何でも好きなように聞いています、しかし、これってなかなか出来る事ではありません。
総ての帯域バランスは、まともなマルチシステムが入った事により、整った証拠だと思います。