小さな音量再生
ホテルのバー等へいくと、音楽を聞き取る事は出来ますが、話は出来ます、会話の邪魔にならないくらい小さな音量で鳴っていて、落ち着いていて良いなと思います。
以前、我が家でやってみた時は、音が重くボケて聞こえたのです。
色々調べてみると、JBL等の大きなスピーカーは、大音量再生に向いているから、小さな音量では力を発揮しない、と書いてありました。
こう思いました「そんな話はないだろう、大きな音量で上手く鳴るなら、小さな音量でもちゃんと鳴るだろう」と。
とにかく世間の38センチウーハーは付帯音だらけ、ご多分にもれず私のスピーカーも以前はそうだったのです。
墨を塗ったり色々やってみたのですが、付帯音はなくならなかったのです、そして気がつきました「コーン紙が広く大きいから付帯音が付くのではない」と、端子や電源コンセントの接点が汚れたり、機材やケーブル等の要因が複雑に絡み、付帯音のような音が形成されているのです。
以前こんな事がありました、私の知り合いがずっと使ってきたウエスタンスピリッツのケーブルを総て外し、市販の高級ケーブルに交換してみたらなんだか良いようだ、一度聞いてみて欲しいとの事でした。
一時間黙って聞いてみて私はハッキリ伝える事にしました、伸びやかさが失われ音が低域に寄っていて、その低域は引き締まらず下に伸びずです、とお伝えしました。
「面倒でしょうが総てウエスタンスピリッツのケーブルへ戻し、再度連絡を下さい」とお伝えしました。
流石いつも行動力のある方です、その日の内に繋ぎ換えて連絡が来ました。
私は普段から自分の開発したケーブルを当たり前のように聞いています、この方のご指摘もきいて同じようなやり方になっているので、違いは直ぐに正確に分かりました。
「繋ぎ換えてすぐ分かったよ、あなたのケーブルはクッキリスッキリしていてる」と連絡が来たのです。
このように人は独りでやっていると、たまに分からなくなる事があるのです。
ましてやその方のオーディオシステムは、私のより数倍優れた機材やスピーカーを使っているのです。
小さな音量になる程その違いは明白になったのです。
基準となる音を心に叩き込まなければなりません、そして鳴るにも鳴らないのにもしっかりした理由があるのです。
いいものを使うのもとても大切ですが、優れたものを使うとは、それだけこちらの技量も試されるものなのです。
買い換えずにじっくり聞き込んでからでも遅くはありません、現状のシステムの音も熟知しないで、買い換える方が多すぎます。
それからこのブログを読んで頂いたらもっとご理解願えると思います。
小さな音量でもしも本当に上手く鳴れば、逆に大音量でもうるさくならず、滑らかに雄大に色濃く素敵に鳴る筈だと私は思います。
オーディオは好みに音を作ってはいけません、作るのでなく、いかに録られたままに色付けなく、スピーカーまでその信号をエネルギーロスなく届け続ける事が出来るかです。
小さな音量再生はこれを私に教えてくれたのです。