LCネットワーク
オーディオを真剣に鳴らそうと思えば、一度は必ず通らなければならないのが、自作のLCネットワークではないだろうか、そこそこ鳴って満足ならば、軽はずみに足を突っ込まない方がいい。
このお話はJBLをユニットで揃え、更に上手く鳴らそうとJBLオリジナルネットワークから脱却した私のお話です。
メーカーが製造したスピーカーシステムならばあまり関係ないと思う、古くなり部品やユニットが経年変化の劣化で駄目になれば、新たなスピーカーシステムと交換するのがいいと思う。
しかし私は違う、普通のJBLは確かに並大抵では上手く鳴らない。
これを何とかしようと、ああでもないこうでもないと何種類のLCネットワークを作っただろうか、もうその数さえ覚えていない。
それでもネットワークはなかなか上手く作る事が出来ない、ある程度、教科書を参考にして部品定数を電卓で割り出す事が出来る。
それでもネットワークは狙った通りに作る事が出来ない、オリジナルネットワーク程度の音で満足出来るなら、それはそれで幸せなのだが、私は違う。
何故思い描いたような狙った通りの音にならないのか、その理由の一つは部品定数にある、部品定数には工業規格と言うものがあり、欲しい部品定数が販売されていないため(10パーセント位は誤差の範囲内と言われるがやはり違う)揃わない事である。
パラって使うやり方もあるが、せいぜい二つが限界、三つになると何日か聞いていたら敏感な方ならば何かおかしい事に気がつく、私は聞いていられなかった。
それと色々試して分かった事がある、やはり質のいい品位の高い部品を使わなければならない、こんな事もこの場で今更話す内容でもないだろう、安くて良いものなどあるはずがない。
私はJBLオリジナルネットワークが経年変化で駄目になり、人伝に聞いたやり方、オリジナルネットワークを参考に、同じ部品定数で木製の板の上に、自作ネットワークを安価な部品で作る事から始めた。
出来上がった時は安価な部品だったが、劣化してない正しい部品定数で作ったので、その音の素晴らしさに暫くは納得して聞いていた。
しかし、音に色気や遊び心とか余裕や気品がないのである、これは教科書を詳しく調べて理解した、ところがJBLのオリジナルネットワークはかなり特殊な部品定数になっていた。
それを教科書通りの部品定数に置き換え、品位の高い部品を 購入して来て新たに私オリジナルのネットワークを作った、ところが上手く繋がらないのである。
これだからネットワークは地獄の一丁目なのである、色々試してみて四年が経っていた、やっと納得のネットワークが出来て正しい帯域バランスを掴む事が出来たのである。
しかし、とにかく品位の高い部品は高額なのである、抵抗はそうでもないが、コイルやコンデンサー(コンデンサーはムンドルフの最高級品、コイルはDYIオーディオ空芯銅箔コイル)はかなり高額で、部品一つで安価なCDプレーヤー位は購入出来てしまう位の価格です。
しかし、品位の高い部品で作ると音には余裕と気品を感じるのである、なので後は回路と部品定数だけである。
当然スピーカーケーブルやラインケーブル、そして設置方法その総てが関係して来るのである。
ネットワークを成功させるには、ネットワークの事だけを考えていては、未来永劫、気に入ったネットワークすら作れない事になる。
私は帯域バランスが頭の中にしっかりあったので、オールマルチシステムにしても直ぐに(約一ヶ月)決まったと今は思っている。
何かを得ようと改善しているときはそこだけでなく、今まで行った総てを見晴らせているのかが一番大切なのです。
例えば電源を強化しようとしたとする、その時に前後関係をよく考えて間違いないか、再度総てを確認しながら先へ進まなければならない、総ては合わさった結果だからである。
良くなった時、悪くなった時、何故なのかその理由をある程度、理論的に考えてないと、綻びが出てきて、必ず取り返しのつかない事になる。
「そうなる前に気付け」何も数学者になれと言ってる訳ではない「市や区の図書館へ行き、多少の勉強をする位の余裕を持て」と言いたいのである、かなり専門的な文献もあり、私は震動もそれを止める素材もある程度そこで知識を得た。
知ってて語るのと知らずに語るのとは大きな違いがある。
世の中にオーディオに不思議はないのである、オーディオは科学と物理で大体は説明が付く、偶然など存在しない、オカルトを作ってはいけない。
偶然があるとしたら接点不良か半田の天ぷら位のものだろう。
これらを総合するにLCネットワークはとても困難を極め、地獄の一丁目と言えるだろうが、やってみる価値はあるだろう。
ネットワークが上手く作れないようでは、帯域バランスなど理解する事は出来ない。
私はネットワークを理解すると共にオーディオを理解したと思っている。