焼き鳥
この言葉を若い頃から何度、口にしただろうか、そして私はまともな焼き鳥を何年、口にしてないだろうか。
「仕事が終わったら焼き鳥ででも一杯やるか?」この素敵な言葉すら最近は忘れていた、夏の暑い日に仕事が終わり、気の合う奴と大汗かきながら、大ジョッキ片手にやる焼き鳥が私は大好きだった。
今はどこにでもある焼き鳥屋、昔はそんなにたくさんはなかった、おいしい店、まずい店の中から、感じのいい、すこしでもおいしい店を探したものだ。
塩かタレかそれしかなかった、私はしょっぱい塩味が大好きだった、それに七味唐辛子をたくさんかけて、それを食べてながら、たらふくビールを呑んだ、それだけで幸せな気分になった。
それしかなかった、しかし何にもない時代、それだけで明日を夢見た、いつの間にか焼き鳥は安売りの店ばかりになっていった。
若い子たちが大きな声で騒いでいる、こちらの話は静かに出来ない、こんなチープな世界ではなかったのだ。
新製品の緻密な話しや、会社の内密な話しを熱く色々したものだ、人生とは?から始まり色々熱く語ったものだ。
今は何にもない、寧ろ58歳になった私の話など、完全に蚊帳の外になってしまった「おじさん話が妙に熱くて暗いよ」などと若者に言われてしまう始末。
まあもう昭和ではないので仕方ないかと諦めるが、どうにも納得出来ない。
いっそのこと、若い頃のように(リーゼントだったヤンキー世代のように)はじけてみるか?とも 思う。
楽しい、美味しい焼き鳥屋さん、今はもうないの?喧嘩はともかく楽しく語らいたい。
居酒屋さんはもう絶滅(煙草が吸えない)寸前です。
オヤジの居場所をつくってくれっ!!若い奴らは嫌いな奴らばかりじゃないけど、話が金の話しばかりでつまらんっ!!
たまには吐き出したい焼き鳥オヤジの独り言でした(笑)