音を作ってはいけない
そんなに外れたスピーカーシステムはない、私のようにユニットをチョイスしてそれらを合わせて鳴らそうとするならば、それなりの知識や経験と覚悟が必要になる。
しかしシステムとして販売されてるスピーカーシステムは、そんなに外れた音にはならない。
周波数特性や帯域バランスは、メーカーが選んだユニットなりに整っている。
しかしどうやっても小型スピーカーから、私が使ってるような38cmのような柔らかな気持ちのいい低音は鳴らない。
安易にスーパーウーハーを追加されてる方もいらっしゃるが、オーディオとはそんなに簡単なものではない。
出来るならそのまま素直に小型スピーカーを鳴らした方がいい。
小型スピーカーには小型スピーカーの良さがあり、大型スピーカーには大型スピーカーの良さがあり、全く別の世界なのである、でも覚えておいて欲しい、やはり帯域バランスには基準がある、独特な帯域バランスはいただけない。
定位の正確さや女性ヴォーカルが演奏からパラリと剥がれて聞こえるさまは、小型スピーカーが俄然有利である、しかし小さいが故に、動かす空気の量も少ない、よってレスポンスは早く正確だが低音が鳴らない、もしくは鳴って聞こえない。
大型スピーカーは飼い慣らすのが大変だが、上手く鳴らすと柔らかく気持ちのいい雄大な低音が聞ける、空気をたくさん動かす為、分割振動や付帯音も多い、しかしそれが低音なのである。
極端なメリットデメリットを書いたが、これが現実である。
双方に魅力があり欠点もあるが、それだけは埋められない溝である。
そして小型スピーカーは帯域バランスをとりやすい、大型スピーカーは帯域バランスをとるのがとても困難。
しかし双方とも上手く鳴らそうと小細工して音を作ってはいけない、音は作るのでなく、整えると言った方が良いのかも知れない。
とにかくオーディオは簡単には鳴らないのである、良く初心者に聞かれる「何を買ったら良いですか?」これは一番困る。
とりあえず一緒にオーディオショップへ行き、先ずはJBLを聞いてもらう、後はお客様の目に入ったものを色々聞いてもらう。
決めるのは二度目か三度目である、人は予算を気にするあまり妥協して安いものを選ぶ傾向にある。
後にお部屋の制限がなければ、必ず始めに聞いたJBLを購入すると思う。