やっと体力が戻って来た
母の認知症の介護中は、かなり気が張っていた、これからの文章でご理解願いたい。
皆さんこう話す「やはりプロの介護士は手慣れていてぜんぜん違う」と。
私は違うと思う、私の母はアルツハイマー型認知症である、介護の中でも最も行動が予測出来ず、理解不能、一番介護が難しいと聞く。
そんな母を我々夫婦は五年間お世話して来た、私は自分の親なので当たり前だと思っていた。
常に100%マックス頑張っていた、つもりだった、しかし我々の介護は、母の気持ちを無視した押し付けだったのだと今はそう思う。
そして遂に限界が来た、理解不能な行動が頻繁に目につき、話す事も支離滅裂、何を伝えても言葉が全く理解出来なくなった。
何より便失禁が毎日続くようになり、部屋は常に豚小屋のような臭いがするようになった。
介護士の方達は確かに場慣れしていると思う、しかしあくまで仕事であり、勤務はシフト制になっている、イコール限られた時間の中だけ働けば離れる事が出来る。
ところが在宅介護はいくら親とはいえ、365日24時間一切気を抜けないのである、しかもいついかなる時に何をしでかすか分からない。
流石に五年でクタクタになりました、そして精神まで病んでいたのです、しかし頑張っているため、それにすら気がつかなかったのです。
母を施設へ預けたのは四月二十七日でした「さてこれから少し休もう」そう思っていた矢先、風邪をひいたのか、熱が出て夜中に大学病院の救急外来へ行って薬をもらい二日間ダウン。
治ったと思いきや次は猛烈に喉が痛くなり、また一週間ダウン、血液検査もしてもらいましたが、特に問題はなかったのです。
治ったと思い安心しているとそこから二、三日で、今度は物貰いになり、あまりの痛みに横をむけませんでした、そこから約十日で治り安心していました。
安心していると、今度は痛風になってしまいました、それも約一週間位で治りましたが、それでも体調は良くなかったのです。
それから二週間、やっと体力は元通りに回復してきたように思います、同じような境遇の方へ、私のようになってしまいますよ、頑張らないで下さい。
もっと早くにプロに頼るべきだったのです、私は人一倍自由人で人一倍体力に自信があります。
その私が先に書いたような事になったのです、多分私だから何とか復活出来たのだと思います。
普通の方ならば、数年入院されたかもしれないと言う事です。
認知症の方が一人でも同居していると、他の家族まで調子が狂ってしまうのです。
そしてあまり症状は進行してないなどと甘くみていると、母のように知らない内に何にも出来なくなっていたのに気がつきましたが、時既に遅しだったのです。
認知症は治るなどと書いてる本もありますが、認知症は極稀にそう言った方も中にはいるのかも知れませんが、認知症が治る事はありません、どんどん進みます。
我々夫婦は母を何とかしようとした結果、五年もの月日が流れてしまっていたのです、でも母が改善される事は一切なかったのです。
さて、体力は何とか回復しました、本当の意味で少し羽をのばして遊んで来ます。