好きな事だけをして生きる
若い頃からそうでした、興味がない事をしようとしても気が入らない為、怪我をしたりミスをしたりするので、尚更興味が薄れる。
私はギターで食べていきたかったのですが、若い頃レコード持参で聴かせていただいたJBL4343で、ジミ・ヘンドリックスアメリカ国歌を聴いてギターを諦めたのです。
諦めたと言うよりまるで次元が違うのです。
「こんな音は俺には出せない」そう思ったのです、それから全くギターに興味がなくなりました。
行き先を失った私は販売員となり店頭にたち、オーディオ製品を売っていました。
しかし「何かが違う」そう思うようになりました、何故そう思ったのか、お客様はみんな商品の事しか考えていないのです。
つまり真剣に鳴らそうとしていないのです、何故鳴るのか、何故鳴らないのか分からず、彷徨っている。
そして自分自身もそうなっている事に気がついて、それでも道が見つからず彷徨っていたのです。
その頃からケーブルに興味を持ち始めていましたが、答えを見つける事が出来ませんでした。
そんなある日たまたま伺った東京近郊のビンテージオーディオショップで、後に師匠となるウエスタン研究家のHさんと出会う事になるのです。
一週間後、約束の日にHさんは、ケーブルを自作して持参で来られました、細いケーブルで単線に絹糸を巻きつけて作ったとお話になりました。
その音とはふてぶてしくもまとまりがあり、正に求めていた本物だったのです、私はHさんに「私も作りたい」と伺いました。
すると「無理だからやめろ」と言われました「では次に会う時までに一本作って聴かせてみろ」と言われました。
「見た目は似てるけど糸の巻きが甘いのでフォーカスも甘い」と言われましたが「市販品より遥かにいい」こう言われ私は木に登ったのです。
そして私は好きな事を見つける事が出来たのです、しかし好きな事だけやって生きてく覚悟が必要です。
いばらの道です、良いことばかりではありません、総ては出会いです、好きな事は突然目の前に現れます。
私は好きな仕事に出会えて幸せだと思います、今まで人生の中で、何一つ達成出来たものがなかったからです。