劣悪なオーディオの制振
私は、オーディオを鳴らすために生じた様々な有害な共振を止める素材はどこかにないものかと、半ば諦めていた、しかし今回やっと制振材なるものを知り合いからなんとか譲っていただき、手に入れる事が出来た。
私の使用しているホーンはコーラルのAH-500でオリジナルでも真面目にデッドニングが施されている、普通はそれで充分と思われたが、肝心な喉元はデッドニングが全くされていなかった、言われて気になった、暫くはホームセンターで見つけた滑り止めシートをしっかり密着させ、ビニールテープで強く巻き付けて使っていた、それでもやらないよりはかなりましだった、しかし今度譲っていただいた制振材は、オーディオ用としてオーディオマニアが配合まで考案し、とある所に依頼して製造してもらっていると聞いた、ある程度、数がまとまらないと作ってもらえないらしく、こうなってみるとかなり貴重なお宝だ、やっと私にも分けていただけた、効果は以前から確認していたものの、その効果は譲っていただいた知り合いを信頼しての事だ。
しかし、その効果はやはり我が家では絶大だった、見た目と触った感じはエアコン工事で使うパテを固くしたような感じなのだが、エアコンパテは以前使ってみて我が家では完璧にNGであった、みなさんもタオルを巻いてみたりしたことがあるだろう。
私も少しそんな変化を想像していた、オーディオはやはり自分の装置で実際に実験してみないと分からないからだ、が、しかし、この素材は全く違うのだ、こちらに都合良く、要らない共振だけを取り去ってくれる、今まで使ってみたどれともその結果が違うのだった、そして思った、ホーンはドライバーの振動板が鳴らした音を理屈抜きに拡散させ、当然音に余計な色や癖が付いてはいけない、どんなに大きな音楽信号が入っても、振動しないのが理想である、喉元から一端広がり少しすぼまりまた一気に拡がって行くのが一般的なホーンだ、その拡がる前なのだからその変化は計り知れない。
そして私は、そのまま五日程そのまま満足して聞いていた、静かで重心が低くなり、明らかに上下のユニットの音の繋がりは良くなった、気持ちが良く嬉しかった。
するとその知り合いから連絡が来て、ヘッドシェルに張り付けると効果があったと言う訳だ、元々実験の好きな私だから、直ぐにやってみた、ヘッドシェルの何処に貼ったのかはこの際ヤボなので省かせていただくが、変化の仕方はホーンの時と似ている、ドライバーは中音だけだが、ヘッドシェルは全帯域だ、複数の楽器が一斉に鳴った時、各々の楽器が見事に分離して、特に低音が太く前に出る様になったのだ、私はいつも同じレコードを聞いているので、その差は歴然としていた、よく考えていただきたい、その微細な電気エネルギーはこれからMCヘッドアンプに増幅され、ブリアンプのフォノイコライザーに増幅されるのだ、そして更にパワーアンプに送られ増幅され、スピーカーを鳴らす、1の差が1000になるは少し大袈裟かも知れないが、これは大変な問題だ、先程述べたホーンの喉元の差どころではない、カートリッヂを今までにない最高級品に変えた位の違いだと私は思った。
カートリッヂはレコードの音溝を引っかいているのだ、カンチレバーからダンパーを伝い、かなり全体が共振している、当然ヘッドシェルもだ、共振は立派なエネルギーロスに繋がる、しかしオーディオは不備だらけだ、音を良くする方法はいくらでもあるが、今回の制振材は他にもまだまだ使えそうなヶ所がありそうだ。
今まで私は、鉛、自転車のチューブ、ブチルゴム、紙粘土、粘土、プラ粘土、タオル、エアコンパテ、シリコン、エポキシ、滑り止めシート等、散々試して来たが、制振材は一番凄かった。
制振材、それと出会えるかどうかもやはり貴方の運命かな?
オーディオの余計な共振、それは必ず起こした方にも返ってくる、そして減衰しながら次の信号を汚す、その繰り返しだ、そのままで良い音になる訳がない、いわゆるエンドレスなエネルギーロスだ、余計な共振は絶対にない方が良い、いかにして減らしていくかしかないとおもう。
私はまた一つ別の音に出会えた、そんな気持ちです。