オーディオは楽器の音が鳴らなくてはいけない
ただ、二本のスピーカーが鳴っているだけでは面白くない、まるで二本のスピーカーが消えたかの様に主張せず、人が居るべき所に定位し、迫力をもってちゃんと楽器の音がしなくてはいけない。
とは簡単に言ってはみたが、これが人によって千差万別な捉え方をしている、楽器の音とは響きの事ではない、楽器そのものの音と定位する大きさの事である、どんなに録音でいじめられても、録音場所が違っても、ちゃんと録音されている音の芯の事です。
調整もアッテネーターバランスも整ってない、あり得ない様な音を出すシステムがたまに存在するけれど、それではいけません、ネットワークのレベル調整などで異様(個人の思い入れと勘違い)な事をしているからだと思う、アッテネーターの数値はそんなに基本から外れた所にある筈がない。
でも、そういったシステムの音はかけられるソースが限られてくる、ジャズしか鳴らないJBLがその良い例だ、普通はそうなのだが、私も昔はそうだった、でもそれがどうしても嫌で、色々実験した結果、やっと今の鳴り方になった。
色んなレーベルが、しっかり鳴り出して来ると、総ての楽器の音がちゃんと鳴って来るものだ、そして演奏していない時も人がそこに居るのがわかる、やはり楽器の音がしっかり鳴るのはかなり必要な事ではないだろうか、しかし難しいのは楽器の音だけを追いかけていては本来の楽器の音は鳴らせない、私は一旦諦めて別の方向から探っていった。
あちこち聞きに行き思う、良い音のする装置は実際にかなりある、しかし楽器の音が鳴らない、みんなどこかがおかしいのだ。
いくら私がプロでも一回聞いただけでは皆目分からない、何度も伺い自分のシステムと比較しながら、なおしてゆき自分のシステムもつられて間違いに気付くオーディオとはそんなものです。
自分の音は最高で人の音は駄目、それではなんの進歩もありはしない、常に満足出来ずに前に進みたい、私はそう思う。
そして知らない内に、それだけを追いかけていた時は絶対に鳴らなかった楽器の音がかなり鳴っていた、そんな感じなのである。
しかし、それもまた私の錯覚なのかも知れない、そこそこ鳴っているが正解かも知れない。