オリジナルスピーカーボックスの大切さ
オーディオを上手く鳴らすのは、最後はセンスだと思う。
総て私の体験からくる感想であり、主観です。
タンノイオートグラフをはじめ、どうしても日本のボックスがオリジナルに勝てないのは、特殊なユニットと合わさった時の部屋も含めたボックスの音質であり、作り方である、多分センスだと思う。
日本のスピーカーボックスは確かに、使用している木材の質や加工技術は、世界のトップクラスと言って過言ではない、しかし音となると、やはり私は合格点は出ないと思う。
良い木材を使うことと、ユニットに合わせて音が良いスピーカーボックスを作るのとは、やはり別の次元の話だと思う。
このお話はタンノイやJBLやアルテックに限らせて頂く、何故ならば、上記以外のメーカーのユニットを使い、ボックスを外注して、上手く鳴らしている人を私は一人だけ知っているからだ。
私は昔、今使っているJBL4560の板を厚くして同じに製造して欲しい、と、外注した事がある、当然板が厚いぶん外形寸法は大きくなった、その時の私も製造者も、さぞ、くもりのない、クリアーな良い低音が出るものと期待した、出来上がり我が家に来たとき、見た目はとても優れたボックスだった。
しかし、そのボックスから出てきた低音は、全くつまらない音だった、オリジナルの様に、低音が楽しく弾んでくれないのだ、作ってくれた方は、私が鳴らしていたオリジナルの音を聞いている、でもその本人が、音が変わってしまいましたねと言った、しかし私は、乾燥や色んな問題もあるのだろうと思い、暫く使ってみたが、音は全く変わらなかった、しっかり作られてるからなおさら変化が少ない、そんな気がした。
そして私は作ってもらったボックスを暫く鳴らしてみて諦めた、再びオリジナルボックスを購入して戻した、比較にもなにもならなかった、圧倒的な鳴り方の差である、肉厚で弾んでいて聞いていて楽しいのだった、しかも板を厚くして作ったボックスのボコボコしたどこか削げたような鳴り方とは違い、しっかりとした楽器の音がしたのだ、失礼とは思ったが、私は前回作っていただいた方にオリジナルを再度聞いてもらった、乾いた米松の厚さがちょうど良いのと、木の組み方が、見た目でなくこのユニットの為に作られていて、同じに作ってもこの鳴り方はしないだろうとの事だった、あまりの違いに二人で笑って話したのを思い出す。
ボックスとはそんなものなのだ、どんなに測定器で測って何Hzが何dBで、定在波を減らし等と考えても答えの出るレベルの話ではなく、センスと経験と、過去からの気の遠くなるような実積の積み重ねでしかないと思った。
スペックだけではどうにもならない、音を上手く再生する為の技術があるのだ、私にボックスを作ってくれた方は、かなり有名な方だ、出来映えは本当に素晴らしかった、上手く鳴らなかったが、今でも感謝している。
その方は後日こう言っていた、タンノイオートグラフやJBLやアルテックA7のコピーボックスは作りたくないと、大変なわりに音が上手く作れないと。
今私は、聞いている、普通の4560では再生出来ないレコードを。それはScott HamiltonのConcord CJ-305とCJ-97である、このレコードにはベースがいないのである、しかしJake Hana(ジェイク ハナ)がバスドラで、Dave Mckenna(デイヴ マッケンナ)がピアノの低音キーで、ベースの音を再現しているのが分かる、貴方のシステムで鳴るかな?鳴ればかなりのものだ、我が家では、とてもベースがいないとは思えない鳴り方をする。
これが優秀なオリジナルボックスの音であり、ネットワークであり、セッティングであり、ウエスタンケーブルが上手くバランスした鳴り方だと思う、過去のブログにヒントは総て書いてある、後は貴方の真剣さと読解力であると思う。
長年凝り固まった自分の殻を壊さないと出来ないと思う。
私のシステムはまだ未完成、未来永劫未完成である、これからもこのスピーカーはまだまだ鳴ると思う、そのカギはセンスと接合方法(接点処理の仕方)だと思う。
そしてユニットを上手く生かし鳴らす、オリジナル、スピーカーボックスであると私は思う。