止まっている人と、常に努力する人の違い
この話しは、少し前に実際にあった事を、本人達に断りそのまま書いてみた。
オーディオの知識だけが妙に先走り、その言葉とは裏腹に、実際に鳴らしている音はたいした事がないマニア先生、今は違うが、指摘するといつも言い訳ばかりする、そして本人は悪気はないのだろうが、人のシステムを馬鹿にする、そう言うマニア先生を私はあまり好きになれなかった。
そんなに詳しいならばもっと上手く鳴らせよ、とずっと思っていた。
安いシステムで、良い音を鳴らしてる男が私の知り合いにいる、その妙に詳しいマニア先生を、私は知り合いに紹介した、ところが知り合いの努力をことごとく馬鹿にするのだ。
頭に来たので、そのまま知り合いのオーディオルームに実際に連れていき、聞かせた、そこは当然私のケーブルが繋がっている、マニア先生はそれを知らないのだ、聞かせていたら、やはり案の定けなしだした。
私はマニア先生に、ならば家に帰り自分のシステムを聞いてみて下さいと言った、それから私に連絡するよう伝えた、さて、その夜の事である、開口一番、大変失礼いたしましたと言った、私は、何が?と、わざととぼけてみた、するとこうである、上手く鳴ってると思っていた自分のオーディオは全く良い音がしないとの事だった。
私には、はじめからそうなることは分かっていた、私の知り合いの家からマニア先生の家までは一時間位だ、知り合いの音はまだマニア先生の耳にこびりついている、自分の部屋に帰ったマニア先生は、直ぐに同じレコードを聞いたのだそうだ、ご立派なご自分の装置をである、スピーカーの調整も洗練されていないシステムで、努力して鳴らした男のシステムの鳴り方などする筈がない、私はマニア先生に、知り合いに謝ってくれと伝えた、知り合いの男は穏やかな奴なので、直ぐにマニア先生と打ち解けたらしく、それからは私に隠れて密かに二人で何やらやってるらしい。
私は仕事柄色んな性格の人間と出会う、色々見てきて、やはりオーディオはセンスも必要だが、努力がまさる事の方が多い。
また今回の様に、違うタイプの人と人を上手く繋げるのも、私の仕事の一つだ。
私が繋げるのはオーディオケーブルだけではない。