SPU三日目
黒檀で自作したスペーサーアダプターもずいぶん馴染んで来たのがわかる、今日はインサイドフォースキャンセラーウエイトを鉛で自作した。
私のトーンアームはオーディオテクニカAT-1005Ⅱである、通常2gの針圧ならば問題はないのだが、SPUは3gだ、私のトーンアームは本当はもうひとつサブウェイトが存在するのだ、しかし小さいのでどこかにいってしまった。
私の簡単な憶測で決めたのだが、今までのウエイトは宝石鑑定で使う計りではかると2.15gだった、アバウトに考えると、だいたい3gのウエイトが必要になる、鉛の板を切り出して、少しずつ合わせカットしていくと、ぴったり3gとなった、9号の絹糸を使い、何とか作ってみた。
糸フックの滑りも快適、今までのテグスみたいなものよりは抵抗が少ないようである、しかし絹糸は捩ってあるので上下する度にウエイトも一緒に回る。
しかし、音は妥協なくセンターにきた、少し心配だったが昨日までは音が少し左によっていた事になる、やはりウエイトの重さは今までかなり足りなかった様だ。
それと明らかにSPUの音は強く肉厚になり情報量が昨日より増えている、そして実際に弾いてる楽器の数が、目に見える様だ、霧が晴れてきたと言ったら良いのか、中域の物足りなさもやっとなくなったのである。
それにしてもSPUはレコード各々の録音の違いを顕著に鳴らす、DL-103の時は、ここまでの差はなかった、やはり丸針だからなのか、大きなサックスの音などが入ると、シンバルが引っ込んでいたのがこれで分かる、SPUでそんな事は絶対にない。
オルトフォンとは良い音と言う意味らしい、ちゃんと楽器の音がする、鋭い鋭角な音をクッキリと再生しながらも、決してうるさくならないカートリッヂだ。
しっかりメンテナンスしてもらっておいて良かった、針先もかなりすり減っていたらしい、ダンパーもかなり劣化していたと聞いた、現在のオルトフォンとはかなり音が違うのだ。
みんなが血眼になり探すのが分かる気がする、しかしみなさんにお断りしておくが、今中古で売られているSPUは総て、どんなに保存状態が良くても私が所有している、ちゃんとメンテナンスしたSPUとは比べ物にならない。
おかしなメンテをされると、私も経験があるが、メンテする前よりも明らかに音が悪くなる、それが普通ではないだろうか、しっかり本物のメンテナンスを出来る人は、日本にニ人といないだろう。
探せるかな?
SPUの初期エージングはもう少しだと思う。