シェルリード線丸二日目
私は作ったケーブルを一日に最低二時間ずつ、二回は必ず聞く、先ずは朝の試聴、高域は細やかになっては来たが、全体的に音がこもっている、ピアノの音は妙にくすんでいる、低音は位相がずれた様に、妙な広がりみたいな音がまとわりつく、全体的に見晴らしが悪い。
だいたいこれが初期エージングの最後の抵抗である、不思議な話だが夕方にはかなり見張らしは良くなると思う、多分明日朝10:00には違和感は総て消えてなくなり、今回の線が優れていれば、静かで見晴らしが良く、鋭角さがありなから爽やかになる筈なのだ。
エージングにケーブルの長さや、使う場所はあまり関係ない、かと言って耳が馴れて来る訳でもない、確かに変化する、システムによっては新たなケーブルが繋がるので、他のケーブルの粗が出てくる場合もある。
私は今回他のラインとの兼ね合いも充分考えて、シェルリード線を作った、しかし五分、十分と聞いていると、次第に音は変化してきた。
それは夜の間に、鳴らさなかったSPUが目覚めて来るのもあるだろうが、それだけではなさそうだ。
しかしこの話はシェルリード線とは関係ないが、DL-103の時にはこんなヴァイオリンやシンバルの音域は確かになかった、SPUもこの間にエージングされて来たのだろう、その高域や低域は鳴らしはじめより変化しているのは確かだ。
オーディオのこの変化が面白いといつも私は思う。
そして、今は午後五時、再度4時間聞いてみた、かなりスカッとしてきた、シンバルの音に芯が出た、広がりもある、サックスの音には後少しウエットな感じが欲しいと思う、低音の位相のずれみたいな変な音は消えていた、つまりエージングは中域が要なのだ、午前中感じた、低域の変な音は中域が影響していると思える、しかし後少し下へののびと引き締まった勢いみたいな感じが欲しい。
ピアノは高域を聞く限りにおいて問題はないが、全体を聞いていると、まだ総てが鳴ったとは言いがたい、ピアノは楽器の中で一番音域が広いのだ。
総ては明日の午前十時だ、かなり期待大だ。