実家と揉めた
一生一代、一件の家を建てるのは実に責任があり、大変な事だ、かなりフンドシを引き締めしっかりしなくてはならない。
家は建築屋さんが建てるんだ、等と悠長に考えていては、必ず落とし穴が待っている。
私がこれから建てようとしている家は、いわゆる二世帯だ、その為、総ては×2となる、思ったよりも値段が高くなる、この際金額は省くが、当然私達夫婦が考えていたより、予算がかかる、実家と相談して足りないぶんを出してもらわねばならない。
しかし私は、両親に見積書さえ見せていなかったのだ、なのに私が実家に通うたびに予算が増えていく、そして、少しずつ両親との間に亀裂が入っていたのだ。
今はOKとなったが、なかなか住宅ローンが通らず、私の思考回路はローンで一杯になっていたのだ、そして昨日最終的な金額を両親に告げた、それまで明るかった父の顔が急にくもったのだ、気になったが、私はその日そのまま帰宅した。
気になって翌日電話にて連絡をとった、母から父に受話器が変わる、開口一番バカヤロー!私は、これはまずいとすぐに分かった、父の言い分は確かだ、しかし私はそちらよりその時は、バカヤローの暴言にカチンッ!と来たのだ。
眠れず一晩考えた、そうか、私は見積書を一度も両親に見せて説明すらしていない、両親は、足りないお金を出してくれるのだ、大体の予算も分からずホイホイお金を支払う馬鹿がどこの世界にいるだろうか。
私は、親子だから話さなくても分かるとたかをくくっていたのだ、でもそれは違う、親子だからこそ尚更細かい説明と同意が必要だ。
私は一晩頭を冷し、次の日の朝一番、実家に連絡をいれた、親父ごめん悪かった、今日説明に行く、時間はあるか?と、親子だ、時間はすぐに作ってくれた。
見積書を用意し、風呂に入り、私は即電車に飛び乗った、実家についたら父は以外と穏やかだった、私は土下座をした、頭を上げろ、とにかく説明をしろ、お前の説明次第では今回の話しはなかった事になる、話しはそれからだ。
脂汗が出たが、ビルダーからもらった見積書を両親に見せながら、私は細かく一言一句間違えないよう、順序だてて話した、父は一言、うんっ!分かった。
それだけだった、オイッ!大蔵省(母の事)これで良いか?俺はよく分かったぞ、黙って食事が目の前に運ばれた、総てOKである。
私の両親とはこのような人間なのです、余計な事は一切言わない、私は今回、こんなに優しい両親の心を踏みにじったのである。
このご恩返しは引っ越してからだなと思い帰ってきた。
しかし良い人生勉強をした。
親子だからこそ総てをさらけださければならない、それはどこの家庭でも同じだろう。
困っているからお金だけだしてくれ、そんなむしのいい話しはどこにもない。
これは親子だから尚更大切なのです。