リッツ線
私はリッツ線を色々研究し、まだ途中段階、しかし私なりに簡単に詳しい方に聞いたり本を読んだり調べてみた。
リッツ線とは、最初と最後だけ、被膜がなく電気的に導通している、そして途中は総て被膜で覆われて一切の電気的導通はゼロである。
電気は、高い周波数になるほど、電線の表面を流れようとする性質を利用したものである、それを稼ぐために、リッツ線は、ある程度の細い線をたくさん使う事により表皮効果を狙う、結果、その線の本数を増やすほど、合わせた線の表面積が増える、その表皮効果で高周波のインピーダンスが減少する、それがこれから説明する表皮効果である、それがズバリ、リッツ線を使うメリットだ、それを私はどうしても検証してみたかった。
私は0.6㎜ф銅単線、ケーブルの長さ一メートルを基準として、リッツ線の研究を始めた。
完成しているウエスタンスピリッツケーブルはプラスに0.6㎜фウエスタン単線を、四本捩るのが一番音が良いと、自分を含め、たくさんの試聴していただいたお客様と決めた。
なので、リッツ線もそこから被膜された日本製の単線を使いスタートした、0.6㎜фの被覆された日本製の銅単線四本を、一定のテンションで捩り合わせると表面積は7.536となる、が、実際には被覆があるので0.01㎜ほど厳密には細くなるが、この際省く、それはなぜか?肝心なのは本数と、その合わせた太さをケーブルにして、実際に聞いた音が肝心だからだ。
次に私は0.29㎜ф銅単線12本で作ってみた、表面積は10.9となる、次に私は、同じ0.29㎜の単線を24本で試した、表面積は21.85である、そして私はピン端子に入る限界の36本で試した、表面積は32.7816となる、これはえらい違いだ、しかしノギスで測るとそんな差はないのだ。
例えば、長さが一メートルの銅単線0.6㎜фの音が良いとしよう、そして同じ断面積になるように同じ長さで細い被膜された0.3㎜фの銅単線を30本捩り会わせたとしよう、表面積は28.26となる、細かい線をたくさん合わせ、ノギスで測った断面積は同じになっても、その合算の表面積は圧倒的に増える事になるのだ、紙を丸めて作り、ほどいて測ると分かる、しかし更に細かく考えて行くと、厳密には長さの問題にぶち当たる、ケーブルの長さが倍になれば、リッツ線の場合、その線の数は倍にしないと同じ効果を得ることは、計算上出来ないとなっている、これがリッツ線なのだ。
今回私は、総て一メートルで実験しているため、長さの計算は省いているが、商品として売り出すには実にシビアな事になってくるのだ、でも細い線を捩り合わせたリッツ線は柔らかいので、どのみち私のケーブルの作り方では、あまり長くは作れないと思う。
だから本数の決まった切り売りされているリッツ線では、長さで音がかなり変わるのである、端末処理も難しく、これはあまり宜しくない、私はそう思う。
しかし、理論上はこの様な計算になるのだが、同じ長さで本数を計算し表面積を計算上正しく求め、リッツケーブルを作っても、聴感上はそのとおりにならないのである、ここが難しさ、さじ加減である。
最後は、やはりカット&トライで、色んな場面で聞きながら、本数を決める事となる。
色々つくり聞いた結果、リッツはまだまだ研究し実験をしなければならない、しかし、どの太さの線でどの数で作っても、リッツ線の共通する音質は、高域と中域辺りに普通のケーブルとの違いが出ることが分かってきた、音にストレスを感じない。
後は私の試聴距離や、システムの管理、電源の管理が問われる事になる。
そして、オーディオのキーワードである部屋だ、オーディオは実に意味不明で苦しい、しかし、その長く暗いトンネルから抜け出た時、何度経験しても快感だ、オーディオ最高!