ネットワークのレベル調整(固定抵抗)
この実験結果は主観であり、JBLやその他総てのスピーカーに当てはまる訳ではない。
一年程前に今のネットワーク調整(ドライバーツィーター共にマイナス12dB)に落ち着いていた、昨日気が付いた、エネルギーバランスは低域寄りになっていた事になる、もう少し800Hzから上のドライバーとツィーターの鮮度をあげても良いのでは?そう思った。
そんなに単純なものではないが、ウーハーがJBLの130Aなのである、出力音圧レベルは101dBとなっている、ボックスは4560である、つまり今は、その二つの個性を強く前面に出し過ぎた結果になってはいないか?気になった。
4560はフロントロードショートホーン付きの、バスレフみたいなボックスである、200Hzから上の周波数にそのホーンロード効果があり6dBの能率改善があり、800Hz以下60Hz迄を再生する事になっている、推測すると低音が聴感上肉厚で力があり、弾んだ様に聞こえる。
4560の癖は、みなさんご承知の様に、かなりのものだ、アコギやチェロ等の低音弦の音に独特なボンッ!と言うぶつかったような箱鳴りみたいな音がソースによっては気になる、JBLともあろうメーカーがそんなに変なボックスを作るとは思えない、ドライバーのカットオフ周波数やレベル調整がうまくいってないないからその暴れた様な濁った音が出るのかも知れない、そう思った。
そしてドライバーのレベル調整と共にツィーターもレベルを動かさざるを得ない、今リッツ線を実験している、その途中だ本来今レベルを動かすのはあまり得策ではない、それは理解している、しかしこのままでは、リッツ線の実験結果自体が違うものになってしまうかも知れないと思ったのだ。
人は経験を積んで理解して行くものだ、そのアコギの濁った音はTADを上手く使いこなしている知り合いにかなり以前からご指摘を受けており、自分なりにそれが何なのか探っていた。
それがボックスの鳴きのせいなのかずっと探っていたのである、しかしどう聞いてもボックスではないと思った、となれば考えられるのは、ネットワークか、電源である。
電源は新たなリスニングルームで徹底的に改良するので、今探り出来る改善策はネットワークのレベル調整と睨んだのだ。
確かにアコギの音だけでなく、全体的にクリアーさに掛けている事に少しずつ気が付いて来たのだが。
試しにツィーターをプラス4dB上げてマイナス8dBにしてみた、今朝聞いてみたが、抜群の鮮度になった、しかしドライバーはまだ動かしていないので真価はまだ分からない、午後秋葉原の海神無線さんへ行きDALEの抵抗(消し炭色の10W)を購入してきた。
ドライバーツィーター共にマイナス12dBからマイナス10dBにしてみた、まだ半田はしない、みのむしクリップで簡単に留めた、思ったとおりと言えばそうなのだが、以前はマイナス10dBになんかしようものなら明るく音が跳び跳ねてうるさくて聞いていられなかった、今回は鮮度が上がり情報量が増えたただけで以前ほどうるさくならないのである、さてこの結果の意味するものは?
これから鳴らし込み、抵抗の音は10日程で溶け込み、まろやかになり落ち着いて来るが、明るく変化することのないことは今までの経験で分かっている、では今回なぜ?
分からない…
しかし思った、今ならばドライバーツィーター共にマイナス8dB迄上げられるかも知れないと、これがリッツ線ラインケーブルを今のJBLシステムに繋げた結果なのかも知れない。
このドライバー(LE-85)はダイアフラムをラジアンに交換し、更にエネルギーロスを減らす為に、ネットワークからのスピーカーケーブルを、ダイアフラムに直に半田で留めている。
JBLの入力端子が好きでないのと、ダイアフラムの端子はネジ留めになっている、他の金属が介在すると、やはりそのものの音が付帯すると感じるのと、ネジ留めだけでは心許ないからだ、その結果ドライバーの音は、ウエスタン594の様に伸びやかな甘さのない素敵な音になった。
個人的にここ一年位の間一足飛びに色々やり過ぎたのかも知れない、今になって色々やって来た所が知らない内に少しずつ馴染んで来たのではないかとも思える。
とにかく最近になって感じるのだが、最早一般的なJBLの音ではなくなっている事に気が付いてきた、しかし総てが上手くいった訳ではないだろう、何かを得れば別の何かを失う覚悟も必要になるからだ、その時はただ分からないだけ、今の様に一年経って気付く事もある。
でも前からお話ししているように、もう部屋が狭すぎるし、この部屋は色々教えてくれたが電源が悪すぎる、しかし分かっていても賃貸契約なのでもう改善策はないのだ、その中で色々やろうとすればする程電源の悪さが気になる。
スピーカーとの距離と電源の大切さを痛感した。
しかし今回のレベル調整が教えてくれたものは、やはりユニット同士の繋がりは微妙でとても大切な事なのだと言う事と、工業規格に細かく抵抗の定数が揃ってないので、結局上手く繋げる事は不可能なのではないのか?だからみんな安易にマルチに走るのではないだろうか。
何だかその気持ちが分かってきたような気がする。
若い頃はどこかにベストな組み合わせがあると思っていたが、オーディオとはとんでもない迷宮だと思う、所詮はどこかで頭の良い誰かが線を引いたその中で、妥協しなければならないのか。
そんな良からぬ発送が頭をよぎる、しかしとんでもない音を昔確かに二つ聞いた、その音が耳から離れない。
オーディオはもの(商品)ではない、何度も話してきた、そのとんでもない音を出した装置をそっくり購入出来たとして、全く同じ部屋をもし作れたとしても、到底その鳴り方にはならない。
やはりセンスであり、置き方であり、最後はたゆまぬ努力でしかないのであり、オーディオは、何と何を組み合わせればこう鳴る、そんな簡単なものではないのだと思う、同じものを使って天と地程の差が歴然とあるのだ、個人的にそれを何度も目の当たりにして来た、やはり鳴らす人の人生のスケールそのものがその人のシステムを通して鳴るのだとしか言いようがない。
今のシステムの音は、今の自分の人生のレベルそのもの、まだスケールが小さい!しかし夢の途中、まだまだですね。