RCAピンケーブル。
スピーカーケーブルやネットワークや電源周りがしっかりしてくると、いよいよピンケーブルだ。
私はここから先、更に、しっかり決まったと思っていたはずのスピーカーケーブルやネットワークの不備や、はたまたユニットの不釣り合いが次々に発覚した。私はここから二年間かかりこんにちに至る。
そして、最近やっと終わりが見えてきたのだ。
ではなぜそのような事になってしまったのか?
オーディオとは、何かをやってもお腹の空いた時に飯を食えば落ち着くような、そんなに簡単なものではない、本当に良い音とは、自分が鳴らしたい音とはどんな音なのか、それを見つけるために必要な順番と最短距離を失敗を通じて一つ一つ分かっていくことだ。
私はさんざんやって来て最近やっとそれに気付いた。笑っていただいておおいにけっこうです。
でもこれ以外のはやみちはどこにも存在はしない。
だから、もう自分はこれでいい、そう思わないでお付き合いいただきたい。
確かにスピーカーや電源ケーブル程の大きな変化は、ピンケーブルには期待出来ない。
では、それはなぜか?
その変化のしかたが今までのスピーカーケーブルや電源ケーブルとはちがうからだ。
私は無料でケーブルのモニター応募を毎月受け付けている、一ヶ月貸し出ししている、ひと月たち、借りた人達は私のケーブルをシステムから外し元の自分のケーブルにつなぎかえる、そして聞いてみる、そして大体は注文が来るか、そのまま送り返せずに代金を振り込んで来る。
つなげてすぐに分かる方もいる、でも私としてはじっくり聞いてもらいたい、私が人生をかけ二十年を費やしやっと完成したものなのだ。
これまでの集大成、ピンケーブル、やっとここで決まる。
ただし、入り口が正しく決まっていればだが…
その音の変化とは。
システム全体の音の骨格や拡がりや鳴り方の雰囲気をつかさどると言ったら分かりやすいだろうか。
だからみなさんがケーブルについてよく話している、高域がどうの、低域がどう変わったなど、とはちょっと違う、簡単にいえば音の整理整頓、音の分離の仕方がかなり変わる、だからピンケーブルで音を作ろうとしても実はあまり期待出来ない。
周波数やユニットのdBをいじり音を作るのはやはりスピーカーのネットワークなのだ。
では、良いケーブルの音の定義とは?
ズバリ、交響曲など、いっせいに鳴った各楽器が交わることなく、うまく分離し、どこのパートに耳をもっていってもしっかりそこが聞け、全体をみはらせる、うるさくならず、滑らかで、本当の重低音を感じる事が出来る、そんな鳴り方です。
つまり、もう諦めていた領域まで鳴る、または鳴って欲しい鳴り方になる。
私のケーブルはそんなものだ。
特にこの滑らさかが、なかなか難しい、先に語って来たように、ケーブルの中で起こっている問題はズバリ電磁誘導である、電気が流れる方向はプラスマイナスで違う、かち合うとショートする、ケーブルの中でブラスマイナスは絶縁体で分けられている、だけど交流なのだ、その流れる方向と逆にケーブルの胴体がお互いに反発しあい、お互い電流が流れる反対に動こうとする訳だ、つまり振動している、被服が甘く、中でケーブルが動きやすい作りのケーブルは華やかな音がするが、聞いていて特にピアノの高い音やバイオリンの高域が跳び跳ねてうるさく、あり得ない音になる、同じことを経験し今でもその音になじめずに悪戦苦闘している方も多いのではないだろうか。
でもそこで大体の人がスピーカーネットワークのアッテネーターをいじってしまう、たがら分からなくなるのだ。
これは大体ネットワークの部品定数かピンケーブルで起こっている。
違う場合も当然ある。
要するにケーブルの場合、プラスとマイナスを束ねている被服のしまり方が甘いためである。
ほとんどのケーブルが甘い、いや全部かも知れない。それと、今も何年も変わらず、メーカーが作り続けているケーブル、石油系の被服の音それが音楽信号を汚す、つまりみなさんはその必要のない被服の音をそのまま聞いている訳だ。
気付いて欲しい、電流が流れる反対にケーブルが動くと言うことは、石油系の被服を被っていたら、中で擦れて音楽信号以外の迷走電流が起こる事になる、線の材質だとか何本使っているだとか、それ以前の問題なのである。
だまされないでほしい。
私はウエスタンケーブルを総てほどき、そこに絹糸を強く巻き付けて各種ケーブルを作る。
実に大変なケーブル作りだ。
絹糸は丈夫だ、軽く、静電容量も極めて少ない、余計な音をつけずに、適度にケーブルの鳴きを止める、なかなか自分が思った音に安定して作れなかった、でも最近やっと、うんっ!これだ、と思うケーブルが出来た。
世の中には実に様々なピンケーブルがある、しかしどこのケーブルも私とは音のコンセプトが違う、何を買っても良い音がしない。
素材そのもは悪くはない、ケーブルを叩いた音がそのまま貴方のシステムの音になる。
石油系の被服の音はくぐもっている、うるさく品がない、音が軽い。
私のピンケーブルの音は滑らかで開放的、広い音がする。
実際に測定してみるとそんなに帯域は広くないのだが、繋げて聞いてみると、ワイドレンジに聞こえる。
私のケーブルは店で売っていない、たくさん注文が来てもハンドメイドの為に大量生産は出来ないからだ。店に置きたいと熱く語ってくれる店もたくさんある、しかし今のところ断っている。
とにかく色んな組み合わせで色んな作り方で作った、お断りしておくが、ウエスタンの素材だから音が良いと思っている訳ではない、私はアメリカの音が好きみたいだ、特に部品の抵抗だ、マークレビンソンが使っていたDALEの消し炭いろのタイプだ、それをネットワークに使ったとき、重心が低く全体が落ち着いていてワイドレンジ、そして跳ねないしっかりした綺麗なエッジのきいた高域が出た、アーレンも悪くはないが、レンジが狭い、でもその二つは他のよりも遥かに良いと私は思った、日本の抵抗は誤差が少なくスペックだけは優秀だ、しかしどれも音が明るく跳び跳ねてうるさい。
品がない。
DALEとアーレン、どちらもウエスタンケーブルに通じるのだ、音が太く重心が低い落ち着いた滑らかな音がする。
日本のケーブル、イギリスやドイツ、ロシアなど実に様々なケーブル素材も私は試した。
その結果、被服を剥いて、スズメッキをしたものはウエスタンでも音に元気がなく粗く滑らかでない、今のケーブル素材を見つけるのは大変であった、私はロスのバイヤーと契約して、私にしか入らないウエスタンケーブルをやっと彼のおかげで見つける事が出来た。世間(ヤフオクやイーベイ)で売られている総てのウエスタンケーブルは私には必要ない、音が悪いからだ。ウエスタンならば何でも良い訳ではない、限られたウエスタンの0.65㎜のプラックエナメルの単線が大量に必要だ、ヤフオクにも同じ太さのプラックエナメルが過去にあった、購入してみたが、全くの別物であった、低音が沈まない、先ずブラックエナメルの素材が違う、私が話すとすぐにネットで見つかったと連絡があるが、私は毎日ネットを見ているが、絶対にそれはないのだ。
絹糸は巻けないからと和紙を巻いて作った方もおられる、私も当然やってみたが、固く巻き付ける事が困難(巻いた後に霧吹きで和紙を湿らせ乾かして引き締めてもみたが失敗)なのと、音が粗く低域が沈まない、滑らかでないからそれは駄目だった。
そんな訳でピンケーブルだけは売られているものではどうにもならない。
是非一度お試しあれ。
更に色々続く。