0.12ф(㎜)単線の効力
一見髪の毛のような太さで、とても細く感じるが。全帯域の音のバランスが整った良い太さである。
ウエスタンスピリッツはリッツ線の実験で、殆どの素線の径を一本で何度も比較試聴した。その結果0.12ф単線が耳で聞いた限りに於てだが、一番優れていた。
わが社の作り方では、素線の径はそれ以上でもそれ以下でもないと思う。
その証拠に0.08фでは明らかに低音は薄くなり、綺麗な音ではあるが、音に芯がなくなるのである。その結果は細くなる程顕著になっていった。
その試聴結果は、いくら本数を増やしても確かに音は変化はするが、素線の径のキャラクターは同じ感じであった。
リッツ線は、ただ、より細い素線をたくさん合わせ断面積だけを作って表皮効果の改善効果を得ようとしても無駄である。それは何故か?素線の経によって固有の音質が存在するからだ。
理論では確かにそうなのだが。これはオーディオケーブルのお話だ。やはり肝心なのは聞いてどう感じるかになるのだ。
だからどんなに高等数学を用いても、それだけで優れたケーブルは作れない。なので作るのは、今の私なのだと思った。
絹糸は市販品の様に、どんなに素線と並べ線間容量を埋めようとしても駄目だ。並べるのでなく合わせた素線に強く巻き付けなければ上手くいかない。
絹糸は強く巻き付ける事によって、ピュアで音は芯があり、滑らかで繊細で太い開放的な躍動的な音になるのである。
ウエスタンスピリッツの実験結果に於いてだが。0.12ф(㎜)単線は、リッツ線のプラス側を作るのに優れた径であると感じる。