常に謙虚であること
私にとって、とても難しい事であった。しかし結局人間、一人ではなんにも出来ない。
人は色んな方向からオーディオを見ている。つまり同じ形でも少し角度を変えてみると、全く違う形に見える。
これを理解しないといけない。しかし、その伝え方がとても難しい。自分が最高と思う鳴らし方は、時に他の人から見たらナンセンスであったりする。
自分のやり方が常に一番ではないという事である。子供の頃から全く勉強をしておらず、私は基礎が全く出来ていない。
自分で話すのも馬鹿みたいだが、そこそこのオーディオのセンスがあり、何とか耳と経験でここまでやって来られた。
しかし、どんどん音が研ぎ澄まされて来ると、もっと上に行きたくなる。それにはさすがに知識が必要になってきた。
知識があればもっと早くに色んなミスに気付く事が出来る。つまり時間短縮である。
電気の簡単な理論が理解出来ていれば、もっとシンプルにどうなって良いか、どうして悪いのか、少しは早くに掴めるだろう。私はそう思った。そしてなぜそうなのかを理論で説明が出来る、それはとても大切な事である。
それには他人に教えをこう必要がある。しかしそこには、私の性格の問題が潜んでいたのである。相手も私に真剣に教え、答えてくれてる。当然、私が本当に理解出来たか質問がくる。
自分の都合の良い事だけを聞き、質問に答えていなかった。ある日相手から質問に答えてくれなければ、話がこれ以上先へ進めないと苦情がきた。
正直困った、本当は理解出来てないのである。でも私はその後も理解してないことをばれないように返信してきた。
しかし理解している人が私の返信内容を読んだら、頓珍漢で理解していないことは明白である。
そしてもうこの件で連絡を取り合うのは止めようと返信がきた。お相手が怒るのは当たり前だ。真剣に教えてるのに理解しようとしない。教えてるのが馬鹿らしくなったのだろう。
しかし私は気付くのに時間がかかった。私が質問したからお相手は答えてくれているのである。それに答えなかった私、全くお話しにならない。
一流の人間はどの方もみんな謙虚である。常に謙虚であること、親しき仲にも礼儀あり。大切な事である。大切な知り合いを一人なくすところだった。