ネットワークの答えが出た
これは多分、我が家がJBL4560BKを中心とした独特なシステムから、素直で聞きやすい鳴り方を追求した結果だろうと思う。普通どうしても感じる4560BKの箱鳴りの様な違和感は、もう完全になくなった。
そして、聞く距離が遠くなった。上手く鳴ってないシステムは、優れた演奏さえボカしてしまう事を、今回の実験で私は知った。だから名盤はまだまだあると思った。
この答えは一般的とは言えないと思う。結論は、ドライバーLE85を5000Hzでハイカットして、ツィーターも同じ周波数でローカットしたソリッドな方向へ戻した。と言う事は、実験前に既にほぼ出来上がっていた事になる。
ただ部品が揃ってなかった、そしてあからさまに妥協があった。前の部屋で、おおまかに部品定数だけ決めて、新たな部屋で完成させようと思っていた。
ウーハーのハイカットコイルだけは妥協なく決まっていた。問題はドライバーのローカットコンデンサーである。15.0μのムンドルフSUPとASC(アメリカンシズキ)の10.0μをミックスして、パラで使ってきた。
ムンドルフのSUPは優れているが,ASCは単体で聞くと、いかんせん音が無味無臭でつまらない、それを合わせて良いわけはないだろう、ずっとそう思っていた。
今回、同じムンドルフSUPで15.0μと10.0μで揃えて注文してきた。ドライバーのハイカットコイルもウーハーと同じDIY AUDIOの38㎜幅の空芯銅箔コイルを0.27mhを巻き戻し調整していただき、0.25mhで注文した。
そして、ここが肝心なのだが、ツィーターのローカットコンデンサーをムンドルフのMcap シルバーゴールド3.9μfにしたことである。このコンデンサーはムンドルフが誇る最高のタイプである。
無誘導で巻き線は純銀で、その中に一%純金を混ぜ合わせる事により、電導率を極限まで上げる事に有利とパンフレットに書いてあった。その僅かな差がここまで来ると大きいと私は踏んだのである。
しかし、ムンドルフのコンデンサーは一つだけ欠点がある。巻きがとても固いので音はクリアーなのだが、エージングに時間がかかると言う事である。最低でも半年、長くは一年かかる時もある。だからなかなか決まらないのである。
これによりリッツ線オーディオケーブルの商品化決定も時間がかかると思う。
そしてこれらの決定は、徹底的に色々なソフトを聞いた結果である。その方がLE85の濃厚な腰のある音の方向と感じたからである。
色々なメーカーのコンデンサーをミックスさせ、音を作ろうとしたのでなく、何となく前の部屋からそのまま来てしまったのである。ずっと気になってはいたのである。
その憶測は見事に合っていたと思う。ムンドルフのサプリームコンデンサは、カッチリした、甘さのない鋭角な深い切れ込みのある音である。
やはり、部品の品位とそれを総て合わせる事が大切である。
しかし、サプリームは値段が高い。
ここまで来たら正直、神頼みである。今度こそ決まってくれ、ただ願うばかりである。しかし、こればかりはやってみて時間がたたないと分からないのである。少し早く鳴らすノウハウはあるが、それでもなお早道はないのである。
今、秋葉原のコイズミ無線から連絡が入った、注文したムンドルフのコンデンサーが、総て入荷したと。
ワクワクする。いよいよ佳境に入った、後はコイルである。そして二日後コイルも入荷したとの連絡が入った。
いくらエージングに時間がかかるとは言え、前回も経験したが、ムンドルフのSUPコンデンサーは最初からかなりの実力である。楽器が見えるようである。
愛するJBLよ、頼む、そろそろ上手く鳴ってくれ。そして私に、揺るがない力をくれ。