JBLやアルテックのオリジナルネットワーク
スピーカーユニットをそろえ、オリジナルネットワークに憧れる気持ちも分からないではない。それと、やはりオリジナルでないと、しっかりカット出来ないのではないか?その考えも分かる。メーカーが作ったのだからオリジナルが一番信用できる、そのお考えも分かる。
普通のオーディオを求めているならばそれでも良いと思う。しかし私はどうしても音が納得出来なかった。
今や経年変化による接点不良や劣化は否めない。今は部屋にないが、以前JBLを揃えた時LX5を使っていた。中古で購入して二ヶ月で片チャンネルのドライバーの音が途切れる様になり。遂には鳴らなくなった。
そしてLX5のアッテネーターや考えられる総ての接点の半田を出来る限りやり直した、しかし鳴らなかった。コイルは性格上劣化しても断線することはないだろう。
コンデンサーかも知れないと思い、部品を取り出そうとした。でも蜜蝋の様なものでガチガチに固まっていてその中にあり頑張ったが、外す事はその時の私の実力では不可能だった。
同じものを購入しようか迷っていると、恩師から連絡があった。自作してみたら?との事だった、しかしそれが地獄の一丁目になることは明らかだった。
LCネットワークは、若い頃に昔散々やったのである。その時はオリジナルに戻し落ち着いた。しかしそれから30年、古くなったオリジナルネットワークは経年変化で劣化していたのである。
どんなにしっかり保管されていても、オリジナルネットワークは、真に動作するものは残っていないと私は思う。
抵抗は劣化すると数値が上がり、コンデンサーは容量が抜けて値が下がる。コイルは優れたウーハーをまともに動作させるに相応しい線の太さはないように思われた。そしてアッテネーターは錆びていた。
そして私は自作ネットワークを作りはじめて三年、やっと今年妥協なく決まったのである。何回部品とその定数を変えたのだろう、もう分からない。
JBLやアルテックをまともに鳴らそうとしたら、先ずはオリジナルネットワークからの脱却をお薦め致します。
簡単なネットワークをオリジナルネットワークと同じ部品定数で、安い部品で作っただけでオリジナルネットワークより遥かに音は良くなる。先ずはそこからである。JBLのオリジナルネットワークが悪いのでなく、経年変化を起こしている為である。
ネットワークを自作をするのに、安価なものならば、左右ペアで二万円はしないと思う。安価な部品を揃えても、オリジナルネットワークと部品のレベルはたいして変わらない、オリジナルネットワークはそんなに良い部品は使っていない。
そして、貴方は後に気が付くだろう。オリジナルネットワークは、部品定数が教科書とかなり違う事を。後は貴方の経験とセンスである。
オリジナルの部品定数ではしっかり狙った周波数でカット出来てない。それが巧みと話す方もいらっしゃるが、それは違うと私は思う。やはり教科書どおりにシンプルが良い。
駄目になったネットワークは音がふんづまりである。しかしその寂れた音が一時代を作ったのもまた事実なのかも知れない。
オリジナルネットワークはもう全部劣化している。