更なる実験6)のその後
今からすると実験6)を行った時は、音がまだ閉塞的だった事になる。更にドライバーやツィーターの音は透明に変化していた。
何よりウーハーの音が、もうスピーカーボックスから聞こえなくなっていて、とても重厚で濃密で更に低い周波数まで沈み込んだ。
聞いているのはレコード、USA盤で、SANTANAのMOON FLOWERである。
今までは、もっとチャカチャカしていて、明るく軽い音だった。しかし今は重厚な中に、パーカッションの立ち上がる音と鮮やかで少し丸い、サンタナ独特のYAMAHAのSGモデルのギターの音がする。ベースやバスドラの低い音階が、更にサンタナを引き立たせている。そんな感じである。思っていた音が初めて鳴った。
とにかく定位している音像を手でヒュッと掴めそうな感じなのである。とても好ましい鳴り方である。
音が濃くなった、普通JBLは音が薄い。ボリュームは下から二番目である。大音量が好きだった私には驚異的な鳴り方である。いつもは下から四だった。
確かにビゼーのカルメンは、今でも音を大きくするが、別に一番下のボリューム位置でも不足はなくなった。
今、聞いたサンタナのブラックマジックウーマンは、とても素敵であり、ボーカルも上手く分離していて定位する、しかし口は大きくならない。
ギターの音の抜けは今までで最大級である。私は今までジャズのピアノトリオを多く聞いていた。しかしジャズ、クラシック、ロック、ポップス、ヘビーメタル、フュージョン、Jポップ、和楽器、演歌、古い四畳半フォークを聞いても、今は、なんら支障なく総て、それなりに最高に鳴ってしまった。
ならばもっと音をスピーカーから剥がしてみたい、そう思った。よしっ!更に鳴らすぞ。