お客様のご試聴
とても寒い日だったが、今回は私にとって、一番怖いお客様が、ご試聴に来られる。
拘りが半端ではない、生業者の私にも一切の意見を曲げない。
そして当然、ご試聴に関してもかなり厳しい、さてどうなるだろうか。
先ずはご持参のCDである。バロック音楽が主流だった。JBLでよくもここまでまとめあげたものだと語られた。
しかし「中音に、はりだしの様な音があり、それが少し濁って聞こえる」との事だった。こちらも同意見である。
次にご持参されたアナログレコードを聞いた。オーボエの音が被って聞こえる。しかし、ジャズをかけると迫力があり、被って聞こえていた音が弾んで聞こえ、聞きやすいと話された。
そして四台のノイズカットトランスの下の板と本体の間を木で浮かせる事を提案された。板にベタ置きでは要らないエネルギーが下に逃げないとの事だった。
すぐに作業をしたが、これはかなりきいた、音のかぶりがなくなりクリアーな元気な音になった。
そしてツィータースタンドの自作を強く薦められた。お客様は徹底的に下に敷く木の響きに拘りがあり、散々試されている、間違いないだろう、近々やってみよう。
全体的なバランスは上手くまとまっていて、迫力もあり、とても良いと話された。
やはりウエスタンスピリッツのスピーカーシステムは、ジャズが良いとの結論になった。
しかし、はじめからノイズカットトランスの下に木を敷いていたら、もっと違う試聴結果になっただろう。
私も以前は、色々な種類の木で音が良くなるのは分かっていた。しかし、私がケーブル開発にかまけて実験してないうちに、拘り派のお客様は知らない内に、木材の響きで、数々の実験をしていた、それで分かったのだろう。
JBL4560の下に付いているキャスターを外し、床に分厚い板を敷き詰め、スピーカーボックスとの間に好みの響きの小さな角材を入れよとのアドバイスをいただいた。
セッティングは多少困難になるが、音は間違いなくクリアーでしっかりした音になるだろう。今年のテーマとなった。
でも結果オーライで良かった。