スピーカー下の板の木工ボンドが硬化を始めた
これはあくまでも板を敷いて第一段階の主観的なお話である。メーカーの説明書きには、木工ボンドは張り合わせて16時間で使用可能な強度になると明記されている。
スピーカーやラックの下に敷いた板はそこそこの面積がある、それを二枚重ねて木工ボンドで張り合わせたのである。
いくら木工ボンドを薄く塗って張り合わせたとしても、今回の赤タモの集積材は厚さが一枚3㎝である、それを重ねると合計で6㎝になる。その板の厚さでは、本当には中まで簡単に乾かないと思う。
先ずは、16時間、三日、十日、一ヵ月、そして半年と完全に硬化するまで時間がかかり、音は変化していくだろう。少し時間がかかるが、日々聞きながら待つ時間、それもまた楽しいものである。
出来上がり最初聞いた時、左右のスピーカー下の板は、出来上がった時間が違うので揃った音にならなかった。しかし、それでも素晴らしいのは直ぐに分かった。
最後に一日遅れで出来上がった左のスピーカー下の板は張り合わせて三日経った。やっと左右の音色は追い付き揃ったと感じる。
家内と三日間聞いてきた。強烈と言う感じではなく、音が近くクリアーで穏やか、力強く太い、そんな雰囲気である。
そして音が舞い上がらず、聴感上の歪みや大音量時の音の飽和がとても少なくなった。静かな巨人と言う言葉を思い出した。そんな感じである。
YAMAHAのGT750のキャビネットも、去年同じ赤タモの集積材で作ってのせ換えた。こちらは厚さが2.5㎝である。
トーンアームやウーハーやボックスやドライバーやホーンやツィーターの附帯音対策も講じた。
スピーカーボックス下のキャスターも挟んでいた耐震ジェルも外し、黒檀の3㎝角のキューブを三個ずつ下に敷いた。
敷き詰めた板の上にスピーカーボックスをベタ置きにしてはいけない、ここは出来る限り小さく硬い木材を三個でスピーカーボックスを浮かせるのが優れたクリアーな低音を鳴らすコツである。
CDプレーヤーの下にも、今回の赤タモの集積材を二枚敷き詰め、更にスピーカーと同じ数の黒檀キューブを敷いた。そして少し前に完成したリッツ線のケーブル。
これら総てがとても上手い具合に重なりバランスしていて、とても結果良好で大満足である。
他の方法を提案された仲間もいたが、ウエスタンスピリッツはこちらを選択して正解だったと思う。
しかし、CDプレーヤーの下に敷いた赤タモの集積材はオーケーだが、黒檀キューブは、解像度は確かに高いが、少し音が固い気がする。なのでCDプレーヤーを浮かせる木材選びは、これからの課題となった。
そして、改めて山本剛(やまもとつよし)のミスティーをアナログで聞いた、(TBM)スリーブラインドマイスのレーベルである。
今までは強いピアノの音階は、最後までならなかった。ところが改めてきいてみると、鮮やかで艶やかで力強く、とても鮮烈な鳴り方である。こんな風に鳴ったのは、はじめてである。普通このレコードはピアノが打撃音に感じるが、しっかり最後まで鳴った。
次に、第一家電のレコード、DAMPCのマドンナの宝石、ヴォルフガンク・サヴァリッシュ指揮を聞いた。微動だにしない柔らか滑らかで力強く、広がりや奥行きは桁外れである。このレコードはやっぱりちゃんとなるのである。こんなレコードの音は一度も聞いた事がない。
今回の試聴結果がこの様になったのは、先ずシステムが知らない内にかなりのレベル迄鳴っていた事と、赤タモの集積材を二枚重ねて張り合わせ、オーディオシステム総ての下に敷いたからである。
特に低音がしっかりする。そしてウーハーがボックスを含めエネルギーロスなく鳴るため、ドライバーやホーンやツィーターの鳴り方までガラリと変化するのであろう、音はクリアーそのものである。
聞いていておおらかでゆったりした感じなのだが、切れ味が鋭くスピードが早い為、無音の静寂からいきなりマックス迄ためらいなく鳴るので、たまにびっくりする位である。
これは故障していたCROWNのDC‐300AからGASのアンプジラに繋ぎ変えて、まともなものを使っている影響もあるかも知れないのだが、板を敷く前はこの様な鳴り方は明らかになかった。
赤タモの集積材を二枚張り合わせて敷いたらこうなったとしか言いようがない。CDも上手く鳴るようになったが、ウエスタンスピリッツはやはり毎度の事ながら、アナログが圧倒的に際立っている。
しかし、ウエスタンスピリッツは、CDプレーヤーもまだやり残した事がある、これからどこまでアナログに肉薄させる事が出来るかである。
同じにやってみたら?と言いたいところだが、無責任にそんな言い方はしたくない。赤タモの集積材でなくてもかまわない、分厚い板をシステムの下総てに敷いてもらいたい。
その方が、絶対に良い結果になるのは確実に目にみえている。敷かなければならないと言いたい。この方法は数年後オーディオの常識になるだろう。
床への振動がかなり軽減される為、ウーハーは正しく動作してボックスに伝わるのだろう。低音が引き締まって素早く下まで沈みこみ音に歪みを感じず、今まで何を聞いていたのだろうと思った程の激変だった。
しかしこの実験は、広いオーディオの中の、ほんの一部にしかすぎない。システムを見渡すとまだまだ色んなものが見えてくる。ウエスタンスピリッツは止まらず、更に高嶺を目指す。
とりあえず、第二段階でのウエスタンスピリッツの理想とするところ迄は登ったと感じる。でもウエスタンスピリッツの求めるもの、それはまだまだ遥か先にある異次元のオーディオ構築である。
さあ、数年前のお約束どおりウエスタンスピリッツは、異次元のオーディオ構築の先陣を切った。
貴方のオーディオはまだまだ鳴る。しかし、今現在はまだ鳴っていない筈です。
聞いた事がないから分からないのは当然である。貴方の現在のシステムにモニターケーブルを繋げ聞いていただくのも誠に結構な事ではあるが、その前にウエスタンスピリッツのシステムを聞いてみていただきたい。しかし、これはあくまでも個人的な希望だが。
ご自分が今までそこそこ良いと思って聞いてきたオーディオシステムが、実は全く鳴っていなかったのを実感される事だろう。
オーディオは値段や使用している機材のレベルで優劣を決める趣味ではない。最後は経験の積み重ねによるセンスと貴方の腕である。
良いものは誰が聞いても良い。そして上手く鳴ったシステムは固有の独特な鳴り方はしない。
まるでオーディオなど鳴っていないかのような、王者の風格を漂わせる様なまともな鳴り方、これが異次元のオーディオ構築である。