オーディオシステムの下総てに赤タモの集積材を敷いた
このお話しは少し前のことで、実際はもう少し先へ進んでいる。
作業総ては丸四日間かかった。
ウエスタンスピリッツは、長いお付き合いのあるお客様からご指摘をうけてからここに至る迄、いったい何年かかっただろう。
お客様はこう話された「スピーカーやラックの下、そして、機材の下には響きの気に入った木材を選び、分厚く質量を伴なったものを敷いた方が音が良くなる」と。今まで何度も話されていた。
そのお客様はご自分で色々試され答えを出されていた。しかし、そこまで仰っていただいていたのに、何故すぐにこの実験をおこなわなかったのか?いつもはとても行動の早い私だが、何故かその意味がなかなか理解出来なかったのである。
今までのウエスタンスピリッツの考え方は、質量の大きなものを機材の下に敷くとその固有の響きに総ての音が支配されてしまう、そう考えていた。しかし、そんな事はなかった。
新居に越してきて一年、やっとその意味が理解できたのである。では何故分かったのか?環境の全く違う新しい部屋、システム全体、数々のエネルギーロスの低減、リッツ線オーディオケーブル、その総ての度重なる実験結果が積み重なり、システムのレベルが上がり、遂に床が限界に達したと思った為である。
今のまま床の補強なしでは、もうこの先はないと思った。今より更に先へ進む為には、床に少しでもスピーカーの振動を伝えず、他の機材へも振動を伝えず、が、一番と考えたのである。そして結果は、確かにお客様の仰るとおりだった。
ホームセンターへ行って、木材を300㎏も購入しなければならない。完璧に逝っちゃってるし正に正真正銘のアホである。
しかし、こう思った「どうせ私は、はじめからアホである、ならば本物のアホになろう、アホが利口ぶってもはじまらない、やってしまおう」そう思った。
一枚50㎏の赤タモの集積材を実際にご覧になったらご理解いただけると思うが、半端な大きさと重さではない、それを六枚である。お店の方も正直かなり引いていた。
しかし今回、己の力の限り妥協なく作る事が出来たと自負している。
肝心なのは音なのだが、素晴らしいの一言である。もう完全に規格外である。まさしくアホである。自分でも呆れて開いた口が塞がらない。
一聴して直ぐに分かるのは、やはり静かになった事である。そして低い低音がスピーカーからパラリと剥がれ、距離感を伴い歪みなく奥の方から押し迫って来るのである。
感じてはいたのだが、システムが既に、かなりのレベルに達していた事がこれで分かった。
そして、アナログを聞いて更に驚いた。録られている楽器本来の音が総て鳴った、そんな感じの鳴り方である。静かで滑らか、重心が低く、優しく太くクリアー、広がりや奥行きはもう桁外れ。
低音が全くモタモタしない。明らかにエネルギーロスは激減した様に感じる。階下への音は更に少なくなった。
これで五種類のケーブルを試聴したら間違いのない判断が出来ると思う。
馬鹿な奴だと笑わば笑えである。オーディオは、端子の清掃や、振動対策とその方法と優れたケーブルで音が決まる。大成功!!
でもまだ板は木工ボンドで湿っているのが聞いていて分かる。