アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症の特長として、最近の記憶から消えていきます、最後は総ての記憶がなくなります。
後は一人一人症状は違いますが、持って生まれた性格が総て悪い方に強く出ます、草花やペット等への愛情の欠落があります、記憶力が著しく低いため情報がないのです、そして日時による感情の変化がとても大きいのです。
母は近所でも有名な位キッチリした性格でした、なので何にも出来なくなった自分を徹底的に責めて、自分で壊れていきました。
そして言うことなす事総てが常人とは違い、それがだんだん身なりやボタンの掛け違いとなり外見に出て来ました。
まずあれだけ大好きだったお風呂に入らなくなりました、そして一日中窓のレースのカーテンを少しだけあけてのぞくように外を見ていました、そして近所の方と目が合うと、カーテンをサッとしめて隠れてしまいます、普通こんな事しませんよね。
そして我々夫婦が球根から花壇で育てていたチューリップが春に花が咲きました、買い物から帰ってくるとその花がないのです、しかもちぎってあります。
母に聞いてみると『知らない、私はそんな事はしない』と言います、しかしキッチンのシンクの所に水の入ったコップにちぎったチューリップの花がさしてありました。
そんな事が毎日のようにあり我々は花壇を使わなくなりました。
一番困ったのはエアコンやテレビの電源コンセントやアンテナケーブルです、電気製品は動作させているときランプがつきます、何故だかそれらを全部消そうとします、エアコン等は寒いと感じるのか動作してる時にコンセントを抜いてしまうのです。
それではと、家をたてた建築家さんに依頼してコンセントを壁の中に隠しました、するとまだランプが付いてるため、それを消そうとエアコン工事の方が使う試運転のスイッチを見付けて電源を切ってしまうのです。
次の日の朝心配なので見に行くと、部屋の温度は32度になっていて『このままでは熱中症になる』そう思ったのです。
そして気が付きました、『ランプが気になって消そうとしている』と、そのランプを母に見えないようにしました、すると次の日エアコンの羽が壊れていました、なんとか止めようとしたのでしょう、もうやりようがありません、母は光ってるもの動いてるものが気になってしかたがないようです、昔の人なので寝ている今は必要なしと電気を切ろうとするのでしょうが訳が分かりません。
お昼頃になって母が二階へ上がって来て『屋根がおかしい』と言って来たので、行ってみるとテレビの電源が入りません、いつも母は使わない時テレビの電源コンセントを抜いていました。
よく見てみると母はコンセントを掴まずケーブルを引っ張り抜いていました、家内の機転で電源ケーブルを買ってきて交換したのです、するとテレビはつきました。
その時アンテナのケーブルも抜けていました、屋根がおかしいとはアンテナが屋根にあった時代のお話しです、我が家にアンテナはないのです、とにかく言葉がおかしいため何を伝えたいのかが分かりません。
すると『今の家はややこしいね』と怒りましたが、これが認知症なのだと理解しましたが、部屋の照明のスイッチを入れたり切ったり何百回とやってました、近所の方からみると気持ち悪いですよね、事実その話は近所のお話しから分かりました、一日中こんな事ばかりなので、介護してるこちらは何にも出来ないので、だんだん追い込まれて行ったのです。
母に悪気がないのは分かるのですが、だんだん腹がたって来るのです、そして私は遂に母を殴ってしまったのです、それを見ていた家内は直ぐにとめてくれましたが、その時施設へ入れる決断をしたのです、意識に関係なく手が出てしまったのです。
いくら伝えても何度伝えても認知症なので、理解出来ないのです、その内こちらの精神も崩壊してきます。
そして思いました『母と暮らすのはもう無理だ』と、そして一日中同じ話の繰り返し、その話を聞いてるのもつまらなくなり嫌になって来ます。
認知症の介護を経験された方のお話しを聞きますが『怒鳴ってはいけない、怒ってはいけない』よく聞きますが『本に書いてる事、そんなものは理想に過ぎない、私は何度も怒鳴ったり殴ったり突き飛ばしたりした』と、中には認知症になっても穏やかで言う事を素直に聞いてくれる方もいるようですが、母の場合攻撃的な面もありとても大変でした。
思考回路が自分に都合よくなっているため約束ごとが守られず、社会生活が出来ないのです、その様な方が一人でも家の中に居ると、総ての予定が組めず、こちらの精神もくるってくるのです。
とにかくここに書いた事はほんの一部です、毎日一日中色々な事が次々と起こり、かといって狂ってしまってるため放ってはおけずです。
しかしこれらは私が母の実の息子だから尚更なのだと思います、家内はよく話します、息子にとって母親は絶対的な存在なのだと『でも世間の人は誰も貴方を責めない父と母の介護をよく頑張った』と。
世間の方々は軽々しく色々聞いて言ってくれる、しかし実際に介護しているのは我々夫婦、それでも母と私は実の親子なのです、本日母は介護度見直しの調査の日です。