故郷
私は北海道の生まれです、小さい頃から素行が悪く、受け入れてくれる高校がなかった為、千葉県の母方の祖母に預けられ、東京の高校へ通っていました、その祖母の家も今は外環道路にかかり、もうありません。
北海道から出てくる最後の日、傷だらけの天使の最終回をやっていました、その憧れだったショーケンも亡くなってしまい、総てが終わってしまったような気もします。
そして、ほどなく父母も弟も千葉に出てきました、その時、私は、北海道の友達や街と最後のお別れが出来なかったのです。
まだ子供だったので、北海道で暮らした月日は今の何倍も濃密で、長い時間に感じるのです。
当時は実家もお金が大変だったので、祖母が両親に気を使い、私を北海道へ帰省させてくれなかったのです。
祖母には感謝していますが、最後にもう二度と会えないかもしれない、友達や街にお別れをしたかったのです。
社会人になり、一度だけ弟と北海道へ行ったのですが。
車で行ったので慌ただしく、近かったにも関わらず、生まれ育った故郷の街にも少ししか行くことが出来ず、ずっと不満だったのです。
しかしそれから約三十五年、一度も行けてません、日に日にその想いは強くなるばかり。
今、実際に行ってみても、何にもない殺風景な街でしょうが、幕引きが中途半端だった気がして、寸止めみたいになっているため、私は今一度それとなく踏ん切りをつけるため故郷へ行ってみたいのです。
やはりGWは暇です、ついつい過去を振り返ってしまいました。
ふるさとは遠きにありて想うもの、ですかね。