帯域バランスが整わない
今は少なくなって来ましたが、JBLやアルテックや日本のコーラルと違い、とても高価なスピーカーユニットメーカーがありました。
しかし志の高かった設計製造者は、歳をとり次々引退していきました。
いくら弟子をとり伝承し後継者にしようとしても、その素晴らしさは伝わっていない気がします。
それと日本では下請けもどんどん廃業してゆき、今では殆どが安く作れる国で製造されてるとの事、つまり利益の追求をしたのでは、と思ってしまいます。
修理に出しても、コーン紙の貼り方が雑だったり、左右の音色や能率が揃わない等、色々苦情が出てるみたいです。
あえて社名は公開致しませんが、ふたを開けてみると家内工業のような状態と聞きました。
私も使った事がありましたが、JBLとは音も能率も同期しませんでした、今は手放しましたが。
しかし、高級品だから良いだろうと、未だに購入される方もいらっしゃいます。
しかしこれら高級品のユニット製造メーカーは、今よりはしっかりしていました。
正に値段や規模は、日本のスピーカーユニットの頂点だったと言えるでしょう。
スーパーオーディオマニアの部屋に行けば、必ずありました。
しかし楽器の音がしない、音を聴くためだけの極限システム、私はそう思っていました。
私はJBL派です、人間らしく上手く鳴らす事が難しいですが、鳴らす事が出来た時は他を寄せ付けない、そう感じるからです。
私はドライバーにLE85を使っていますが、幾度かダイアフラムを飛ばした時、オリジナルを購入し聴いた時に感じました。
左右揃えて購入した筈のオリジナルダイアフラムは、音色も能率も揃わず、薄い音になってしまいました、当然ウーハーやツィーターと同期しません。
そして暫く悩み色々検索していて、USAラジアンのへら絞りダイアフラムを見つけたのです。
左右のインピーダンスも揃っています、能率も音色も揃っています、当然ウーハーやツィーター総てと同期します。
そのダイアフラムに取り換えた事で、それまで整っていなかった帯域バランスが整って来ました。
しかしそれだけでネットワークが完成する程オーディオは簡単ではありませんでしたが、そこから二年程の悪戦苦闘で、何とか帯域バランスを見つける事が出来たのです。
なのでもうJBLのLE85とは言いませんね、その後も何度もJBLオリジナルに戻してみたのですが、やはりラジアンのダイアフラムは整って聴こえました。
そして思いました、JBLのダイアフラムが悪いのでなく、製造されてからかなりの時間が経っていて、保管場所や状態が良くないため、経年変化を起こしているのだと理解しました。
そして耐入力もオリジナルの30Wから100Wにアップしているため、ダイアフラムが飛ぶことはまずありません。
しかしオリジナルの耐入力30Wとはいえその音量は、能率が108dbと高能率の為かなりのものです、しかもネットワークの固定抵抗等も入りますので、飛ばした時はアンプなどの、直流(DC漏れ)があったものと思われます。
中古で購入し使ってきた機材にも問題があったのだと今は思っています、今は論点が違うので省きますが、オリジナルのダイアフラムとラジアンのダイアフラムは、観察してみるとなるほど納得の改善点を見つける事が出来ました。
今現在ウエスタンスピリッツは、マルチシステムなので、ウーハーが50W×2、ドライバーとツィーターは、それぞれ30W×2のパワーアンプになっています。
しかしマルチシステムなので、トータルで600W×2くらいの駆動力のシステムと言う事になります。
しかし先に話した高級スピーカーユニットメーカーは、ユニットによっての音色や能率がバラバラな為、全く同期しないのです。
今となっては、古きよき時代が生んだ代物、ありがたがって大枚を支払う気にはなりません。
今日で長かったGWも終わり、色々考えてみました。
色々な名機があります、その中のダイアフラム一つとってもこの状態、オーディオはそれら総ての本質や目的を踏まえ理解し使いたいものです。
そしてそろそろ名機と言われて来たもの達も、歴史的価値はあるでしょうが、メンテナンスしても音が元に戻らず、限界が近いと思うのは私だけでしょうか。
ウエスタンスピリッツが使用している中古品は、トーンアームとツィーター、そしてバリレラのカートリッヂだけとなりました。
壊れず左右が揃い毎日快適です。
帯域バランスが整わないのは、ユニットどうしの能率や設置場所だけでなく、色々な問題が潜んでいると思います。
そして、明日からまたケーブル作りに励みます。
皆さんもお仕事頑張って下さい、そして音楽を楽しみましょう。